4.高齢者のタクシー券について
四つ目に、高齢者のタクシー券についてお聞きいたします。今路線バスがなくなり、高齢者の移動のときの足の問題は切実です。高齢者が市内に買い物に出たり、病院に通院したりすることもままならなくなりました。これらは、目に見えないようでも高齢者の生きがいや健康などについても大きなマイナス要因になっているのではないかと思います。平成14年度は、巡回バスの調査費が50万円盛られました。今赤見地区や石塚地区、そして犬伏地区の方など、巡回バスを走らせてほしいという声は切実になっております。早期に実現させてほしいと思います。近隣市町村でも足利市も巡回バスの実現に踏み切りました。何としても本市も必要だと感じております。
こういう中、高齢者の福祉タクシー券が医者の通院に限って、75歳の方から、そしておひとり暮らしや高齢者の世帯のみで70歳以上の方に現在支給されております。70歳の受給資格が以前はあったわけですが、75歳からにしてしまいました。このときも市の福祉施策を削減するやり方に市民からは大変不満の声が上がりましたが、さらにタクシー券が月決めになってしまったときには大変怒りの声が上がりました。市の方にも電話が行ったのではないでしょうか。その声に押されて、市は現在3カ月に1度ということにしました。そして、400円の券に加算できた300円券も廃止してしまいました。決算を見てみますと、平成12年度は2,589万4,100円だったのが、このさまざまな削減により平成13年は予算上は多かったのですが、1,534万8,080円に下がっております。また、平成14年度は予算上は3,028万円ということですが、これではやはり利用枚数をいやが応でも減らさざるを得ないということではないでしょうか。とても使いづらくしているのではないでしょうか。今でも年間トータルで使えるものにしてほしいという声が上がっております。早期に巡回バスを実現させてほしいというふうに思いますが、当面はまず年間で使用できるものにすべきと考えます。障害者のタクシー券も視力障害者の方たちの切実な声で市に対して交渉も行い、障害者全体のタクシー券が1カ月決めになろうとしたものを年間で使えるように戻させました。これらについて、市当局のお考えをお聞きしたいと思います。
また、今後巡回バスなどの実現に向けた第1段階としても実質拡充していくべきと考えますが、ご認識をお伺いいたします。
私は、最後になりますが、障害者も高齢者も生き生き暮らせるためにこのような施策の充実はとても重要なことだというふうに思っておりますが、今の質問に対しての当局のお考えをぜひお聞きいたします。
以上で1回目の質問といたします。よろしくお願いいたします。
○議長(寺内冨士夫君) 当局の答弁を求めます。 保健福祉部長。
(保健福祉部長 出井君登壇)
◎保健福祉部長(出井修君) 一般質問に答弁をさせていただきます。
私からは、障害者の支援費導入について、これは9件ございます。それに介護保険について5件、最後に高齢者のタクシー券についてということで、順次答弁をさせていただきます。
まず、支援費制度の関係の第1点でございますが、国の新年度予算案は新プラン、支援費制度の初年度として在宅サービス重視や一般財源化の方向で国の責務を後退させるものである。市民にとっても問題のあるものと認識するがというご質問でございますが、国の新障害者プランはノーマライゼーションの理念のもとに、障害者が地域で暮らせるように在宅福祉サービスに重点が置かれたものになっております。また、支援費制度が4月から始まりますが、在宅生活支援として在宅生活を支援しているわけでございます。これからも障害者が地域でより快適に暮らしていけるように、今後とも障害者の皆様とともに考えていきたいと考えております。平成15年度から障害者を支援する諸制度の補助が一部一般財源化される方向にありますけれども、今後も必要とする制度は継続し、見直しが必要な制度は利用しやすい制度に変えていくことが必要であると考えております。
次に、支援費導入後も市民のサービス低下を招かず、障害者福祉の公的責任を市として十分に果たしていくべきというご質問でございますが、支援費制度に移行いたしましてもこれまで利用していただいたサービスや新たに利用するサービスにつきましては今後ともサービスが低下することのないように、利用者の相談あるいは指導や苦情についての対応をして、必要な場合は県との連携も図りながら対応してまいりたいと考えております。
次に、ホームヘルプサービスの国庫補助金の上限の関係でございます。撤回を国はしていない、撤回を求めるべきではないかというご質問でございます。国におきましては、在宅生活の支援を重視していながら、ホームヘルプサービスに上限を設定してまいりました。本市におきましては、支援費支給申請書の提出を受けた方の聞き取り調査を現在行っております。その際、希望される利用料については、できる限り支給決定できるように努める考え方でおります。上限の件でございますが、これは新聞情報でもありますけれども、関東、甲信越の9県は反対する要望書を国に提出したと聞き及んでおります。今後とも県を通しまして見直しの働きかけをしていきたいと考えておるところでございます。
次に、市町村障害者生活支援事業、それに障害児者地域療育等支援事業の補助金打ち切りの関係でございますが、この二つの事業につきましては国は平成15年度から補助金を打ち切り、地方交付税で対応することを発表いたしました。しかし、4月から始まる支援費制度を円滑に進めていくためにも相談事業は必要不可欠なものであります。現在障害者生活支援事業は佐野市、田沼町、それに葛生町の1市2町で実施しているところでございます。田沼町と葛生町と相談の結果、15年度におきましても引き続きこの事業を実施していく予定でおります。
なお、障害児者地域療育等支援事業は、これは県が事業の実施主体でございますが、事業そのものを社会福祉法人足利むつみ会に委託しておりまして、障害児者の相談事業を行っておりまして、今後とも引き続き事業は継続していくということを聞いておるところでございます。
次に、支援費導入で利用者の負担額がさまざま出てくる、この実態と認識、利用料の負担のためにサービスの低下や必要なサービスが受けられない事態は生じてはならないというご質問でございますが、平成15年1月下旬に利用者負担額の案が示されましたが、施設訓練等支援及び居宅生活支援の利用者負担額につきましては、現行の費用徴収制度と同様と考えているところでございます。
次に、支援費の国基準額の設定によれば、自治体は財源の上乗せがいやが応にも求められてくるというこの認識でございますが、現在県において実施されております知的障害児者の短期入所事業は、これは日帰り、宿泊を含みます。介護者の疾病や冠婚葬祭などにより家庭において介護ができない場合、原則7日間を限度に施設に入所することができるわけでございます。この事業は、平成15年度から権限移譲されてまいりまして、支援費制度対象のサービスとなるわけでございます。市におきましては事業費の4分の1を負担する、こういうことになるわけでございます。
次に、次期障害者計画を発表し、在宅サービスに重点を置いたと、この県の関係でございますが、市として受け皿としての基盤整備をどのようにというあわせたご質問でございますが、平成12年3月に策定いたしました佐野市障害者福祉計画は、17年度を目標年次といたしまして現在具現化を図っているところでございます。来年度県におきましては、新プランを作成すると聞いておるところでございます。国が発表いたしました新プランは、在宅サービスに重点を置いたものとなっておりますので、本市の障害者福祉計画も今後国、県等に沿った方向に見直しをしていく考えでございます。
次に、今まで市が責任を持って行っていたガイドヘルパーの民間委託の関係でございます。ガイドヘルパーサービスにつきましては、今度は支援費制度の中で身体障害者居宅介護支援の移動介護が中心ということで、支援費制度の対象サービスとなってまいります。したがいまして、県から指定事業者の指定を受けている事業者がサービスの提供をすることになるわけでございます。実は2月17日でございましたが、社会福祉法人とちのみ会の地域交流ホームにおきまして視覚障害者と登録ガイドヘルパーを対象に、支援費制度に移行した場合のガイドヘルパーサービスの利用の仕方について説明会を開催したところでございます。その結果、これまでの方法で利用できるように配慮されましたし、事業者との契約書は点字を使用すれば、お互いにそれぞれ意見を交わし、合意を得ておりますので、今後安心をして利用できるようになると考えておるところでございます。
次に、県の単独事業の小規模作業所、さつき作業所の関係でございますが、現在事業の実施主体でございます市が栃木県知的障害者育成会佐野支部に運営を委託しておりまして、事業を実施しておるところでございます。定員19名のところ現在16名の知的障害者が毎日休まず通所しておりまして、生活訓練あるいはまたボールペンの組み立て作業を行っておるところでございます。このように、利用者が必要としている事業は継続していく考えでございます。なお、この事業費の負担につきましては、県と折半となっておるところでございます。
次に、2点目、介護保険についてということで、全体で5件いただいております。順次答弁をいたします。まず、第1点でございますが、保険料や利用料の重い負担のために安心した制度になっていないのではないでしょうか、国の負担をふやすべきと、また基金を取り崩しして値上げを中止すべきというご質問でございますが、平成15年度からの第2期介護保険事業計画に基づき、第1号被保険者の介護保険料につきましては、急激な負担増にならないよう、介護給付費準備基金を一部取り崩しすることとして対応を図ったところでございます。また、国の負担の引き上げにつきましても、全国市長会を通しまして介護保険財政の健全な運営のために十分な支援措置を講じることとして、国の負担拡充の要望をしているところでございます。
次に、保険料の減免、軽減措置、市独自でも積極的にというご質問でございますが、保険料の減免、軽減につきましては介護保険法による生活保護基準以下該当者、これは境界層該当者でございますが、に対する軽減措置を行っておりますが、さらに平成15年度の保険料につきましては所得段階6段階方式へ移行いたしまして、低所得者への軽減に取り組むこととしております。
次に、安心して高齢者が在宅で暮らせるためには、在宅サービス利用料の免除、軽減の関係でございます。利用料の免除、軽減制度の拡充につきましては、一つには高額介護サービス費の支給、二つ目には介護保険制度施行時に既に訪問介護を利用している方への利用料の減免措置、三つ目に介護保険施設入所者に対する食費負担額の軽減措置、四つ目に社会福祉法人等が提供する介護サービスを低所得者が利用した場合の利用料の軽減措置、五つ目に特別養護老人ホームの旧措置入所者に対する利用者負担の特例措置、六つ目に介護保険法による生活保護基準以下該当者に対する減額措置などを既に実施しているところでございます。拡充につきましては、制度上問題があるとの国の指摘もございますので、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。
次に、特別養護老人ホームの待機者の増大の実態から、整備計画の必要性を、本市の必要性で施設整備を進めるべきというご質問でございますが、本市においても特別養護老人ホームにつきましては多くの待機者を見ているところでございます。しかし、この中にはとりあえず申し込んでいる方や特養でなくても対応可能な方も多いと認識しております。そのため現在県におきまして、特別養護老人ホーム入所に係る指針を作成しているところでございまして、今後必要度の高い方から入所できるようになる見込みでございます。また、施設整備につきましては本市の高齢者等の実態等を踏まえまして、平成15年度から平成19年度を計画期間とする高齢者保健福祉計画あるいはまた介護保険事業計画を策定したところでございます。今後この計画に基づきまして、計画的に整備を図ってまいりたいと考えております。
次に、ホームヘルパーの2級養成講座の関係でございますが、介護保険事業に従事する人の人材確保のために、県においては平成13年度までホームヘルパー2級養成講座を行っておりましたけれども、民間事業者において養成講座を実施することが十分確保されているということで、現在は実施していないわけでございます。本市におきましても、養成講座は民間事業者において十分確保されると考えておりますので、市として行う考え方は持っておりませんので、これはご理解をお願いしたいと思います。
最後になりますが、高齢者のタクシー券についてのご質問でございます。タクシー券が月決めにされ、現在3カ月ごとに、依然として使いづらいという関係でのご質問でございますが、高齢者のタクシー券につきましては従前は年間使用できるようになっておりました。しかし、年度末に利用が異常に多くなるなど、不適切と思われる使用方法が見られたわけでございます。市といたしましては、指導も行ってきたところでございますが、平成13年度から1カ月ごとの利用期間とさせていただいたところでもございます。しかし、利用者からのご意見を踏まえまして、平成14年度からは3カ月ごとの有効期限とした利用にしたところでございまして、当面はこのまま実施してまいりたいと考えております。なお、拡充につきましては今後の課題とさせていただきたいと思います。
以上、答弁といたします。