議会報告・2005年第2回定例会 6月6日(月)
市長の施政方針についての質疑と答弁(全文)

市長の施政方針についての質疑
◆1番(岡村恵子) ただいまから市長の施政方針に対する質疑を行わせていただきます。

 一つ目にお聞きいたしますが、岡部市長は施政方針の中で市長選のことに触れ、次のように述べています。「私は、さきの新佐野市誕生に伴います市長選挙におきまして、多くの市民の皆さんからご支援をいただき、新佐野市の初代市長の重責を担わせていただくことになりました。身に余る光栄に存じますとともに、身の引き締まる思いでございます。選挙期間中を通じて、市民の皆さんからお寄せいただきましたご支援に心から感謝申し上げるとともに、期待をしっかりと受けとめ、対話、協調、融和を政治信条として新しい佐野市の「かたち」をつくることに全力で邁進する所存でございます」と述べています。私は、この中で市民の期待を受けて当選したと述べていることに関してまずお聞きしたいというふうに思います。新市に当たりまして、私たち日本共産党市議団が行いました市民アンケートの回答には、税金のむだ遣いはやめてほしい、医療や介護、福祉の充実と負担軽減をしてほしいという声がたくさんありました。私は、岡部市長が市民の多くの期待を受けて新市長に当選されたと強調するなら、新しい佐野市の「かたち」をつくるに当たり、これらの市民の声を正面から受けとめるべきと思います。いかがでしょうか。市長は、今の市民の生活の実態の把握をどのようにされているのでしょうか。小泉内閣のさまざまな国民負担増のもとで、今市民の暮らしが大変追い詰められている状況をどう把握されているのでしょうか。市の執行責任者の政治姿勢を問うときに、このことを抜きにすることはできません。今小泉内閣が踏み出している大増税、国民負担増路線、2005年度から2006年度にかけての7兆円もの負担増が国民にかぶせられてきています。そして、この大増税、大負担路線は国民所得が年間数兆円の規模で減少している中で推し進められていることは極めて重大だと言わなければなりません。定率減税が廃止されますと、サラリーマン中堅層の人たちが22%もの所得税、住民税の負担増になること、高齢者に対して年金課税が連続的に強化されるとともに、増税が介護保険料や国民健康保険税などの値上げに連動して雪だるま式にその負担が膨らんできます。まるでこれら高齢者などの負担増は、これだけ見ても生きていくことすら困難さをきわめるといった悲鳴が聞こえてくるようです。そう思いませんか。また、さらに一方では社会保障の分野での給付の切り下げと一体のものでの介護や医療、福祉などの自己負担の引き上げは国民が生きていくことに必要不可欠な介護の抑制や必要な医療を抑制する給付の引き下げを目的として進められていることに大問題をはらんでいると言えます。今国民や市民の怒りが憲法25条に保障されております、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないといった暮らしや命を守るという当たり前の要求が破壊されてきている、こういうところに大きく怒りが広がってきている、市長はそう思いませんか。国の悪政がますますひどくなってきている今、新しく始まった佐野市の新市長として地方自治法の定めにあります、市民が豊かに生きられる、暮らしや命をしっかり守っていける、地方自治体としてのその責務を全力で果たしていくことが求められていると思います。ここでお聞きいたしますが、この市民の多くの切実な声である税金のむだ遣いはやめてほしい、医療や介護、福祉の充実と負担軽減をしてほしいということに市民の期待を担う新しい佐野市の市長としてどう答えていくのか、お聞きいたします。ぜひお答えください。 

 二つ目にお聞きいたします。市長が施政方針の中で新佐野市の振興計画、そして合併によって策定された新市建設計画を道しるべとしてうたい、「佐野新都市開発整備事業、北関東自動車道のインター周辺を中心とする開発構想などの大型プロジェクトについては、その早期完成や、構想の推進を国、県の協力をいただきながら、図ってまいりたい」と述べていることは、市民の立場から見て重大視しなければなりません。新市建設計画の中には交流拠点都市をうたい、都市機能の整備として佐野新都市整備の促進、北関東自動車道、田沼佐野インターチェンジ周辺開発、そして北関東自動車道及び(仮称)田沼インターチェンジアクセス道路の整備の促進などを進めていくとしています。また、市長は施政方針で、地方自治体を取り巻く状況は厳しく、三位一体の改革等の影響で佐野市の財政状況も一層厳しさを増していると述べています。市長は、施政方針で今度の1市2町の合併で新佐野市は三つの自治体が対等に合併したものだから、それぞれの地域の文化、慣習を尊重した上で均衡ある発展を目指した計画でなければならないと考えているとも述べています。これら都市基盤の整備は市長が言う均衡ある発展に逆行するのではないでしょうか。ぜひお答えください。 

 三つ目にお聞きいたします。市長は、施政方針の中で大型プロジェクトを先にありきとしながらも、財政状況の厳しさをうたい、行財政改革が待ったなしの課題だとしています。そして、諸問題を解決するための手段として、(仮称)佐野市行財政改革審議会、正式には佐野市政策審議会を立ち上げるとしています。その審議会では、すべての可能性を検証するためとして聖域のない問題提起を行い、専門家による正確な実態分析、第三者による公正、公平な判断、すべての情報の開示としながら、最後に時間をかけないで迅速な審議会答申を求めていくことを考えていくとしています。市長が選挙中に出しましたマニフェストには、「合併協定項目60項目を一つ一つ着実に推進して、実りある合併の成果を上げ、合併の真の目的である行財政改革を断行するために、旧1市2町で初の諮問機関を設置します」としています。岡部市長の言う実りある合併の成果、合併の真の目的である行財政改革の断行とはどんなものを言っているのでしょうか。施政方針では、「この佐野市の合併の背景になった少子高齢化の進行、生活圏の広域化、地方財政の悪化などの諸課題に的確に対応し、合併の効果を目に見える形であらわしていく必要がある」と市長は述べています。ここで言う合併の効果、合併の真の目的とは何でしょうか。日本共産党市議団が行ってきました市民アンケートの回答には、「合併による不安は何ですか」という問いに対し、今後税金や公共料金が高くなるのではないか、さまざまなサービス低下が行われるのではないか、行政が遠くなり、住民の声が届かなくなるのではないかなど、市民からは切実な声となってあらわれています。ことし3月29日付で総務省が各自治体に通知した文書の中に、地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針があります。総務省は、この指針で各自治体に2005年度から2009年度までの具体的な行政改革の取り組みを明示した集中改革プランをつくり、2005年度中に公表することを求めています。この中には、都市再生など財源を集中的に投入させたい分野は温存し、住民犠牲の改革を進めさせようとした指針の内容になっていることを指摘しておかなければなりません。この総務省の集中改革プランの内容として、事務事業の再編整理、指定管理者制度を含む民間委託等の推進、過去5年間の全国総定員の純減実績、マイナス4.6%を上回る定員削減目標の設定など、9項目を盛り込むとしています。これは、2007年度からの中期地方財政ビジョンに基づき、各自治体への交付税削減の対応を求めるためのものだと言われています。今地方交付税の財源保障、財政調整機能の堅持、強化は自治体関係者の強い要求であり、共同した運動の強化が今後重要になってくると思います。さらに、住民の命や暮らしを守るという観点での自治体本来の責務を果たす立場での民主的な効率化と財源確保の取り組みは、自治体裁量として自主的に進めていくことが求められてきていると思います。ここでお聞きいたしますが、行政改革について迅速に進めるとして、佐野市政策審議会をつくるとしていますが、行政改革の内容が住民サービスの切り捨てにつながる危険性があると考えます。総務省のその文書の中には、公正の確保と透明性の向上として地方公共団体の自己決定権の拡大に伴い、住民等への説明責任を果たし、議会や住民等の監視のもとに公正の確保と透明性の向上を図ることが一層必要である。このため、情報公開条例や行政手続条例の制定、パブリックコメント手続制度の積極的な活用などを行うとともに、外部監査制度の有効活用、議会における政策審議の充実などによって、議会や監査委員などによる監査機能の強化に積極的に取り組むこととなっています。この政策審議会を設置するということで民意を聞いたということにするのではなく、住民の意見をよく聞くこと、そして議会の機能を充実する方向で進んでいかなければならないと考えますが、このことについてお聞きしたいというふうに思います。そしてまた、この政策審議会の構成につきましては、何よりも住民の意思が十分反映できる構成に気をつけていかなければならないと考えますが、そのお考えをお聞きしたいというふうに思います。

 次に、四つ目にお聞きいたしますが、まず新庁舎建設についてお聞きいたします。市長は、施政方針の中で新庁舎建設を早急に取り組まなければならない大きな課題と位置づけています。今合併協議で決まった佐野市役所、田沼庁舎、葛生庁舎の分庁方式で業務が進められています。この安佐合併に至っては、新庁舎建設関連について具体的には何も市民に示されずに新市がスタートいたしました。お隣の大平町、岩舟町、藤岡町での合併協議では、この庁舎建設の位置の問題で破綻したことは言うまでもありません。市役所は、市民の暮らしに欠かすことのできない身近にあるものでなくてはなりません。私たち日本共産党市議団が行った市民アンケートの回答には、合併の不安とはという問いに対し、行政が遠くなってしまうのではないかとありましたが、この庁舎のあり方も大きくかかわってくる問題だと思います。また、同じ市民アンケートの回答として、「新庁舎建設についてどう考えますか」という問いに対して、税金のむだ遣いになるので今までの分庁舎方式を続けるべきだという声が圧倒的でした。この声は、そのほかにもとても多く聞かれます。住民の暮らしが大変せっぱ詰まっている、そのような反映ではないでしょうか。合併後、今分庁舎方式で進めるに当たっても、既に10億円以上の税金がさまざまな改修やコンピューターの設置などに使われてきました。ですから、税金のむだ遣いにつながることがこのことからもよくわかることです。ここでお尋ねいたしますが、新庁舎建設について、建設するのではなくて、税金のむだ遣いにつながるので、今までの分庁舎方式を続けるべきだという市民の多くの声に対し、市長はどのように考えますか、お答えいただきたいと思います。 

 次に、佐野内陸コンテナターミナルについてお聞きいたします。市長のマニフェストの中には、北関東自動車道路の開通を目前に、市内の鉱山跡地に内陸型海上コンテナ集積地を創生し、新佐野市全域に大きな経済効果を波及させながら、物流効率化に資する事業として県内初の経済産業省補助事業を受ける民間事業者グループがおられます。このような民間パワーを支援することで、新佐野市内に点在する鉱山採石跡地の緑化推進及び高度化を図ります。合わせて環境保全と安定財源の確保を目指して、この夢の実現を国、県に強く働きかけてまいりますとしています。市長は、この事業を民間グループを支援し、推進の立場に立っておられるようですが、今後費用対効果の面、住民の意見など十分検討した上で進めるべきではないかと考えますが、どうでしょうか、お答えください。 

 五つ目にお聞きいたします。市民病院の問題についてお聞きいたします。この市民病院の問題では、市長は施政方針の中で市民病院の経営改善を含めた行財政改革など、早急に取り組まなければならない大きな課題だと述べています。市民の命と健康を守るために、今後充実発展させてほしいという声は、私たち日本共産党市議団が行った回答の中に圧倒的に多くありました。市民の切実に願う市民病院としての存続の方向が重要という立場でお尋ねいたします。今国のさまざまな医療制度改悪の中で、公立の病院がさまざまな岐路に立たされています。2004年の夏の時点で、自治体病院数は全国で1,007であり、全病院の1割を占めています。職員23万人、1日平均の入院、外来患者は73万人で地域医療の中核を担っています。しかし、総務省は公立病院の6割は赤字であるとして、不採算施設の閉鎖や民間病院への業務委託を徹底するとしています。既に石原都政は、2003年1月に都立病院改革実行プログラムを策定し、都立病院の統廃合、民営化を強行しています。横浜市も全国で初めて指定管理者制度による市立新港湾病院の民営化をことし2月の議会で決定しました。しかし、指定管理者には開業準備は受託者側の負担で行う、収入が目標を下回った場合は委託料を減額するというペナルティーまで課しています。ですから、これでは収益最優先の医療になるのではないかと不安の声が上がっているとのことです。同時に、自治体病院を経営体として純化、強化することをねらった地方公営企業法の全部適用も全国で急速に拡大しています。さまざまな国の改悪もあるところですが、今まで旧田沼町、旧葛生町の中で果たしてきた拠点病院としての地域医療の中核を担ってきた市民病院の役割を今真っ正面からとらえなければならないと思います。現在長引く不況と収入の連続低下、医療費の自己負担の増大などで、受診、医療抑制が拡大し、命と健康の問題が深刻な事態になってきているときだからこそ憲法25条を具体化している、どこでもだれでも安心して治療を受けられる地域の拠点病院として、市民病院を充実させていくことが求められているのではないでしょうか。私は、新庁舎建設をするのであれば、市民の健康と命を守るべき施設として市民病院をしっかりと残すべきと考えます。そして、経営改善をして、医者を充実させて残してほしい、市民の声はそうだと思います。どうでしょうか。ぜひお答えください。

 六つ目にお聞きいたしますが、旧佐野市、旧田沼町、旧葛生町との対等合併というなら、今までのそれぞれの施策や伝統を大事にして進めるべきと思います。このことについてお聞きいたします。公共事業については、市民が求めていない開発型の大型プロジェクトに巨額の税金をつぎ込むのではなくて、軸足を生活道路の整備や学校や保育園の整備、市民生活密着型の事業に使う、そして今あるものを大切にして維持更新していくこと、このことにより隅々まで行き届いた均衡ある発展が図れると私は思いますが、いかがでしょうか。1市2町が合併したからこそ集中した都市基盤整備にお金を使うのではなく、市長みずからが述べているように12万7,000の住民が文化や伝統、そして長い年月でつくり上げられたコミュニティーを大切に、人間らしく豊かに生きられるバランスのとれた新佐野市にしていくべきではないでしょうか。ですから、新佐野市が地方自治体の本来の姿になって、中小企業や農業、商店への支援、子育て支援、高齢者の介護や医療、福祉の充実など、限りある財源を充てていくことが大切ではないかと思うのですが、どうでしょうか。それぞれ長年培われた今までの施策や伝統を大事にしていくべきと考えますが、いかがでしょうか、ぜひお答えください。

 七つ目にお聞きいたします。市長は、施政方針の中で六つの施策について述べています。マニフェストに基づいてお聞きしたいと思います。これは、先発の議員と重複するところがあると思います。一つ目に、高い危機管理能力を持った犯罪のない安全なまちに関してお聞きいたします。地域防災計画を常に洗い直して、現状とのミスマッチを解消します。この中身と決意をお聞きいたします。また、マニフェストには交通弱者に配慮した市民バスの有効再配置します。さらに、そのバス停はコミュニティーバスストップとして段階的に整備します。この具体的内容と決意をお聞きいたします。

 二つ目に、働きやすいまちに関してお聞きいたします。起業家を支援して新規事業の創生を促します。この中身と決意についてお聞きいたします。また、若者から高齢者に至るまでのライフスタイルに合わせた就労機会を得られる産業誘致についても述べています。その内容と具体的な中身についてお聞きいたします。

 三つ目に、安心して子育てができるまちとして、子育て支援策の充実について述べています。マニフェストでは、幼稚園と保育園の連帯を促し、有機的に機能する預かり保育、学童保育の拡大、拡充等の充実を図り、個々のライフスタイルに適応する子育て支援策を行うとしています。この中身と決意についてお聞きいたします。また、第2子、第3子の出産をみんなで祝う宝物ありがとう祝金を創設いたしますとしていますが、この中身と決意をお聞かせください。

 四つ目に、教育の問題について取り上げています。この中では、特色を持った教育と心の教育ができる教育のまちについて述べています。まず、教育の基本点についてお聞きいたしますが、この日本は世界でも異常な競争主義、管理主義の教育が今子供たちの心と成長を深刻に傷つけている状況だと言われています。すべての子供たちが一般教養をしっかりと身につけられる原点に立った教育のあり方、そしてすべての子供たちが人間として大切にされると実感できる学校をつくってこそ子供たちの中にお互いの人格を尊重する態度が生まれてくること、この基本点を大切にした教育のあり方が求められていると思いますが、どうでしょうか、お聞きいたします。そして、市長が言う特色ある教育と心の教育とは何でしょうか、お聞きいたします。

 五つ目に、自然を大切にした豊かな住環境が実感できる住みやすいまちとしています。自然豊かな住環境とは、そして住んでよかったと言えるまちに関してお聞きいたします。

 六つ目に、みんなで助け合って生きがいのある老後が過ごせる助け合いのまちづくりについてお聞きいたします。高齢者の介護予防と健康づくりを行う寝たきり高齢者ゼロ運動を推進するとともに、社会教育活動や環境問題等に対応するため、市民活動促進条例を策定し、市民活動の促進に努めてまいりますとしています。この中身とその決意をお聞かせ願います。

 以上で市長の施政方針に対する1度目の質疑とさせていただきます。よろしくご答弁をお願いいたします。

○議長(寺内一夫) 当局の答弁を求めます。市長。(市長 登壇)

◎市長(岡部正英) それでは、岡村恵子議員の施政方針に対する質疑にお答えをいたします。

 まず、市民の声をどう受けとめるのかとのご質疑でございますけれども、今後も世論調査やパブリックコメントなどを通して市民の皆様の声を市政に反映できるよう努めてまいりたいと思っております。

 次に、厳しい財政状況の中で、新市建設計画や都市基盤の整備を重視しているが、均衡ある発展に逆行しているのではないかとの質疑でございますけれども、本年度から策定を予定している第1次佐野市振興計画では、新市建設計画を最大限尊重しつつも人口減少、厳しい財政状況という現実を考慮した計画になるものと予想するところでございます。そして、行政の仕事をスクラップするとともに、この振興計画を行政運営の中心に据え、計画に基づいたまちづくりを推進してまいりたいと考えておるのでご理解をいただきたいとお願い申し上げます。

 次に、佐野市政策審議会による行政改革は、住民サービスの切り捨てにつながるのではないか、また審議会の構成に住民の意思を反映できる構成にすべきではないかとのご質疑でございますが、審議会は学識経験者や関係団体の推薦を受けた者、その以外に公募による委員で構成することに特徴がございます。私は、佐野市が抱える全庁的な大きな課題について審議していただくために、専門的な意見はもちろんでございますけれども、広く市民から募集した公募による委員、そして民間の発想や市民の考えも重要であると考えておりますので、住民の意思も反映できるものと考えております。また、先ほど質問の中にございましたように、この市庁舎の問題等もございましたけれども、やはり市民の関心が高いわけでございまして、重要な事項でありますので、今後この審議会に諮って、さまざまな意見を聞きながら、そして議論をしていただいて判断をしてまいりたいとも思っておるところでございます。

 次に、佐野内陸コンテナターミナルについては、費用対効果や住民の意見など十分検討した上で進めるべきではないかとのご質疑でございますけれども、今年度佐野内陸コンテナターミナル構想の実現性と佐野市としての基本的な方針を調査、検討するため、内部組織の検討委員会を立ち上げまして、佐野内陸コンテナターミナル調査事業として予算計上させていただいたところでございます。しかし、ご承知のとおり、この佐野内陸コンテナターミナル整備構想は、民間企業等で組織する佐野内陸コンテナターミナル研究会の構想でございます。現段階では、佐野市としての基本的な方向性を調査検討するだけの情報が不足している状況でございますので、検討委員会としましても関係機関との意見交換や佐野内陸コンテナターミナル研究会からの情報収集に努め、費用対効果を検討した上で佐野市としての構想へのかかわり方など、基本的な方向を検討してまいりたいと考えておるところでございます。ご理解をいただきたいと思います。この構想は、壮大な構想であり、少なからず地元住民の日常生活に影響を及ぼす可能性があるものと認識をしております。その点も踏まえ、その上で検討委員会において佐野市としての基本的な方向を見出してまいりたいと考えております。 

 次に、市民病院の経営改善をどのように考えているのかとのご質疑でございますけれども、病院の経営は平成15年度から極端に悪化をしてまいりました。これは、最近のマスコミでも取り上げておられますように、地方における医師不足が要因となっております。医師の自由意思による開業のための退職や新たに国の施策として始まりました医師の臨床研修医制度による影響が大きいわけでございます。このため、新たな医師が生まれなくなったこと、医師を養成する大学医局では研修医を指導する指導医が不足することなどから、医師を派遣していた病院から医師の引き揚げなどが起こったことによるものでございます。また、病院の経営改善策でありますが、まず病院の経営の健全化は収入の増と支出の抑制にあります。収入の増には複数の医師の確保が第一であります。受け入れ診療科に複数の医師がいれば、外来患者様に対してもいつも診療科が開設できるだけでなく、入院患者様の受け入れができ、入院病棟の有効利用が図られることになるわけでございます。経費の削減においては、常に経費の節減に取り組んでおりますが、ある程度の設備投資や医療機器の更新など、患者さんの医療に対する安心と信頼の確保のためには投資的費用も必要でありますので、その計上についてはご理解をいただきたいと思います。公立病院の多くが赤字経営であると言われますが、これらを打破すべく、常に経営改善の努力を行っていき、経営の厳しい状況下にあることから、市民にとって医療のあり方も考えていきたいと思っております。市民にとっての病院はどうあるべきか、地域の特徴を含めて検討し、必要な診療体制や開業医と病院の役割、さらに関連する病院との連携など、今以上に検討しなければならないことは多々あるわけでございます。これからが重要な時期であると考えておるところでございます。

 次に、旧田沼、旧葛生との対等合併というのなら、今までの施策や伝統を大事にしていくべきとのご質疑でございますけれども、新市建設計画は3市町の振興計画を尊重し、原則として計画や施策の継続性について配慮していくことを策定方針として策定されたものでございます。これを最大限尊重し、新市建設計画の中にあるこの各地域の独自の歴史と文化、地域性を尊重し、これらを生かした地域運営の展開と活性化が図れるような計画をしていきたいと思っております。

 最後に、六つの施策についてのご質疑でございますけれども、まず第1の安全のまちについてのご質疑でございますけれども、地域防災計画及び市民バスの整備については、義本議員に対する答弁で同様でございます。

 また、第2の働きやすいまちについての質疑は、山口議員、義本議員に対する答弁と同様でございます。

 第3の子育てのまちについてのご質疑でございますけれども、子育て支援策と宝物ありがとう祝金については、義本議員に対する答弁と同様でございます。

 第4の教育のまちについてのご質疑でございますが、これまで先発の議員に答弁したとおり、市内全小中学校におきまして、豊かな人間性やみずから学び、考える力などの生きる力の育成を目指しております。その施策や事業も生きる力の育成を目指したものであり、ねらいに迫るためには確かな学力、つまり一般教養も大切なものであると認識をしているところでございます。

 第5の住みやすいまちについてのご質疑でございますが、義本議員に対する答弁と同様でございます。

 第6の助け合いのまちについてのご質疑ですが、寝たきり高齢者ゼロ運動と市民活動促進条例については、義本議員に対する答弁と同様でございますので、よろしくお願い申し上げまして、以上で答弁とさせていただきます。

○議長(寺内一夫) 以上で当局の答弁は終わりました。1番、岡村恵子議員。(1番 岡村議員登壇)

◆1番(岡村恵子) それぞれご答弁をいただきました。まず、私の1度目の一つ目の質疑に対しまして、市長の自分からの言葉でのご答弁が残念ながらありませんでした。新しく始まった佐野市の市長がどれだけ市民の切実な声に耳を傾けていけるのかどうか、市長の政治姿勢として一番肝心なところだというふうに思っております。国の悪政による市民の痛みを自分のものとできるか、その生活実態に真っ正面から向き合っていくことということが今後の市政の方向を決めていくというふうにも思っております。市民の立場にしっかり立っていけるのかどうか、改めてお聞きしておきたいというふうに思います。

 それから、市民の立場にしっかりと立つなら、先ほど述べました市民の切実な声である税金のむだ遣いをやめてほしい。医療や介護、福祉の充実と負担軽減をしてほしい、この多くの声をどうとらえて、どう考えるのか、お聞きしておきたいというふうに思います。そしてまた、これらの声を市政に今後十分生かしていくのかどうか、そのことをお聞きしておきたいというふうに思います。

 それから、二つ目に市民の生活実態を考えたときに、今国が大変な住民負担への押しつけをしておるわけです。この問題というのは、国の問題ということではなくて、私は今市政がこれからどういうふうに方向づけられていくか、この問題を考えるときに避けて通るわけにはいかない問題だと思っています。市の長として、まずこの国に対して、大増税や負担増計画の撤回を要求すべきではないか。市民のしっかりとした立場に立って、市民の命と暮らしを守る政治への転換を求めていくべきだというふうに思いますが、このことについてもどうでしょうか。ぜひ市長みずからの言葉でのご答弁をお聞きしたいというふうに思います。

 それからまた、さまざまな市の施策の中に、低所得者対策、負担増の軽減策について、またさまざまな経済的な支援の充実などを積極的に行っていくべきと考えますが、各課とよく相談して今後いく必要があると思いますが、これらについてもぜひご認識をお聞きしておきたいというふうに思います。

 それから、大変財政が厳しい中で、市長の政治姿勢が大型プロジェクトを重視し、それが先にありきではないかということを私はお聞きいたしました。こういう中では、先ほどご答弁がありましたけれども、正面から答えたご答弁ではなかったというふうに思いますが、このまま進めば財政難を理由に住民サービスが切り捨てられる可能性があるというふうに私は思いますが、市長の考えをお聞きしておきたいというふうに思います。

 それからまた、先ほど民営化の方向ということで、義本議員の答弁の中で話していました。公的責任を後退させることのないように、そして市長は民営化できるものはするというお考えなのでしょうか、改めてお聞きしておきたいというふうに思います。

 それから、行財政改革についてお聞きいたしました。佐野市政策審議会、これは審議会に問題を持ち込むというふうに先ほど庁舎建設の問題などについてのご答弁がありました。しかし、この政策審議会の運用については、迅速な進め方の手法になってくる可能性があるのではないかと私は思います。マニフェストなどを見ますと、それを見た範囲ではそういう危惧を持ちます。そして、市民の声というものが見えなくなってくる可能性があると思いますが、この行財政改革、佐野市政策審議会、この問題について改めてお聞きしておきたいというふうに思います。

 それから、新庁舎建設について、私は多くの市民の声は現在の庁舎を有効に生かすべきだというふうに述べました。先ほど市長のご答弁では、そのような声もあるというふうに認識しているというふうに多分おっしゃっていたというふうに思います。これも先ほどのご答弁ですと、やはり審議会に諮ってというふうなおっしゃい方をしていたのですけれども、これは私の問題提起は新庁舎建設などをするよりも、やはり市民病院など市民の命と暮らしをしっかりと守る、命を守るためのそのような施策をやはり重視していく必要があるという観点でお聞きいたしました。そして、先ほど先発議員の質問の答弁でもう一度確認したいのですけれども、さまざまな施策の重要性や緊急性について、十分財政事情もありますので、考えていきたいというふうに述べました。これについても、その考え方を改めて確認しておきたい、聞いておきたいというふうに思いました。このことについてもぜひご答弁をよろしくお願いいたします。

 以上で2回目の質疑といたします。ぜひ誠意あるご答弁をよろしくお願いいたします。

○議長(寺内一夫) 当局の答弁を求めます。(市長 登壇)

◎市長(岡部正英) 岡村議員の2回目の質疑に答弁させていただきます。

 やはり市長は市民の代表でございます。市長の立場として市政を行うわけでございますから、これは市民の声を十分に聞きながら、これを市政に反映してまいるということでございますので、よろしくお願いします。

 また、負担の軽減というようなことも言われておりますけれども、もちろんこれは今財政的にも厳しいときでございます。そういう中で、十分その点はいろんな事業に対しても配慮しながら、これから行っていきたいと思っております。特に大型プロジェクトについては、慎重にこれから皆さんとも審議をしたり、議会に諮りながら行っていきたいと思っているところでございます。

 また、民営化については、いろいろお話が先ほど出ましたけれども、やはりできるものはこれからいろんな行政が行うよりは民営化した方がよろしいわけでございますけれども、この点についても十分慎重にこれから研究しながら、行ってまいりたいと思っております。

 また、佐野の政策審議会、これは大きな先ほどの大型プロジェクトを始めそういうことについては審議会でいろいろ意見を審議していただくと、そして答申をいただく、もちろん議会等は諮って、議会等とのもちろんあるわけでございます。その前にいろいろな参考意見として聞きたいと、こういうこともあるわけでございます。

 また、新庁舎の問題が先ほどございましたけれども、新庁舎についても審議会で十分やはり審議していただき、答申いただく、また議会とも十分これは大事なことでございますから、議会が主体でございます。議員の皆さんとも十分検討しながら、これは進める問題でございます。いろいろな市民の声もございますけれども、慎重に審議しながら、これについては私も市政を担当してまいりたいと思いますので、ご理解をいただきたいと思います。

 以上でございます。

○議長(寺内一夫) 当局の答弁は終わりました。1番、岡村恵子議員(1番 岡村議員登壇)

◆1番(岡村恵子) それでは、再々質疑をさせていただきます。

 私手元に岡部市長のマニフェストがあるのですけれども、この中には「合併の真の目的である行財政改革を断行するためにこの諮問機関を設置いたします」という表現になっているのです。今のご答弁ですと、若干ニュアンスが変わっているかなというふうに、参考意見として聞きたいということのご意見、市長の考えでした。そしてまた、この審議会の?番目というところに、「合併効果がある間にむだな時間をかけない、迅速な審議答申を行います」、このようになっております。これについても先ほどのご答弁でいきますと、よく市民の声や議会の声を聞きながら、さまざまな財政事情も考えながら考えていきたいということでニュアンスが変わっているかなというふうに思います。そのことを確認をしておきたいというふうに思うのですけれども。

 それから、市民の声は具体的でありまして、税金のむだ遣いをやめてほしい、医療や介護、福祉の充実と負担軽減をしてほしい、このように具体的なものであります。考えてみますと、医療や介護、福祉の充実というのは、人間が生きていく上で本当に一番シンプルなといいますか、本当に大切な部分といいますか、決して豊かにしてほしい、そういうことではなくて、本当に生きていく上でのやはりそれを負担軽減や充実をしてほしいという声だというふうに思うのです。そこまで市民の生活というのは今切実な声になってきているというふうに思います。そういう点で、やはり改めて市長にいろんな意見があるというふうに思いますけれどもということでしたが、やはりこれらの今の市民の実態について再度どんなふうに認識をするのか、お聞きしておきたいというふうに思うのです。そして、やはり県や国に対してパイプが太くなったということではなくて、市民のしっかりと立場に立って、市民の命や暮らしを守る政治の転換を求める、そういう態度に立てるのかどうか、その辺についても改めてお聞きしておきたいというふうに思います。ですから、先ほどの都市基盤の整備やそれから新庁舎建設など、これらについても施政方針の中では早急な課題だというふうに述べておりますが、それについてもさまざまな検討も含めていくということで、改めてその辺の考えについてお聞きしておきたいというふうに思います。

 以上で再々質疑とさせていただきます。

○議長(寺内一夫) 当局の答弁を求めます。市長。(市長 登壇)

◎市長(岡部正英) 岡村議員の再々質疑にお答えいたします。

 先ほど私が立候補に当たってのマニフェストの関係でございますけれども、もちろん行財政改革を断行するということで私も決意を持っておりますし、これも市民の皆さん、また議員の皆さん、それぞれ皆さんの声を聞きながら、また私も十分その点については進めてまいりたいと思っております。また、福祉問題、それから介護の問題等、やはりこの点については市民の皆さんの暮らしを守るということは当然のことでございますし、できる限りのことも私はこれから進めてまいりたいと、こう思っておるところでございます。いろいろな負担軽減の問題、その他についても動向を見ながら検討をしてまいりたいと思っております。その点につきましてもご理解をいただきたいと思います。

 以上で答弁を終わります。

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