◆1番(岡村恵子) ただいまから市長の施政方針に対する質疑を行わせていただきます。
一つ目にお聞きいたしますが、岡部市長は施政方針の中で市長選のことに触れ、次のように述べています。「私は、さきの新佐野市誕生に伴います市長選挙におきまして、多くの市民の皆さんからご支援をいただき、新佐野市の初代市長の重責を担わせていただくことになりました。身に余る光栄に存じますとともに、身の引き締まる思いでございます。選挙期間中を通じて、市民の皆さんからお寄せいただきましたご支援に心から感謝申し上げるとともに、期待をしっかりと受けとめ、対話、協調、融和を政治信条として新しい佐野市の「かたち」をつくることに全力で邁進する所存でございます」と述べています。私は、この中で市民の期待を受けて当選したと述べていることに関してまずお聞きしたいというふうに思います。新市に当たりまして、私たち日本共産党市議団が行いました市民アンケートの回答には、税金のむだ遣いはやめてほしい、医療や介護、福祉の充実と負担軽減をしてほしいという声がたくさんありました。私は、岡部市長が市民の多くの期待を受けて新市長に当選されたと強調するなら、新しい佐野市の「かたち」をつくるに当たり、これらの市民の声を正面から受けとめるべきと思います。いかがでしょうか。市長は、今の市民の生活の実態の把握をどのようにされているのでしょうか。小泉内閣のさまざまな国民負担増のもとで、今市民の暮らしが大変追い詰められている状況をどう把握されているのでしょうか。市の執行責任者の政治姿勢を問うときに、このことを抜きにすることはできません。今小泉内閣が踏み出している大増税、国民負担増路線、2005年度から2006年度にかけての7兆円もの負担増が国民にかぶせられてきています。そして、この大増税、大負担路線は国民所得が年間数兆円の規模で減少している中で推し進められていることは極めて重大だと言わなければなりません。定率減税が廃止されますと、サラリーマン中堅層の人たちが22%もの所得税、住民税の負担増になること、高齢者に対して年金課税が連続的に強化されるとともに、増税が介護保険料や国民健康保険税などの値上げに連動して雪だるま式にその負担が膨らんできます。まるでこれら高齢者などの負担増は、これだけ見ても生きていくことすら困難さをきわめるといった悲鳴が聞こえてくるようです。そう思いませんか。また、さらに一方では社会保障の分野での給付の切り下げと一体のものでの介護や医療、福祉などの自己負担の引き上げは国民が生きていくことに必要不可欠な介護の抑制や必要な医療を抑制する給付の引き下げを目的として進められていることに大問題をはらんでいると言えます。今国民や市民の怒りが憲法25条に保障されております、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないといった暮らしや命を守るという当たり前の要求が破壊されてきている、こういうところに大きく怒りが広がってきている、市長はそう思いませんか。国の悪政がますますひどくなってきている今、新しく始まった佐野市の新市長として地方自治法の定めにあります、市民が豊かに生きられる、暮らしや命をしっかり守っていける、地方自治体としてのその責務を全力で果たしていくことが求められていると思います。ここでお聞きいたしますが、この市民の多くの切実な声である税金のむだ遣いはやめてほしい、医療や介護、福祉の充実と負担軽減をしてほしいということに市民の期待を担う新しい佐野市の市長としてどう答えていくのか、お聞きいたします。ぜひお答えください。
二つ目にお聞きいたします。市長が施政方針の中で新佐野市の振興計画、そして合併によって策定された新市建設計画を道しるべとしてうたい、「佐野新都市開発整備事業、北関東自動車道のインター周辺を中心とする開発構想などの大型プロジェクトについては、その早期完成や、構想の推進を国、県の協力をいただきながら、図ってまいりたい」と述べていることは、市民の立場から見て重大視しなければなりません。新市建設計画の中には交流拠点都市をうたい、都市機能の整備として佐野新都市整備の促進、北関東自動車道、田沼佐野インターチェンジ周辺開発、そして北関東自動車道及び(仮称)田沼インターチェンジアクセス道路の整備の促進などを進めていくとしています。また、市長は施政方針で、地方自治体を取り巻く状況は厳しく、三位一体の改革等の影響で佐野市の財政状況も一層厳しさを増していると述べています。市長は、施政方針で今度の1市2町の合併で新佐野市は三つの自治体が対等に合併したものだから、それぞれの地域の文化、慣習を尊重した上で均衡ある発展を目指した計画でなければならないと考えているとも述べています。これら都市基盤の整備は市長が言う均衡ある発展に逆行するのではないでしょうか。ぜひお答えください。
三つ目にお聞きいたします。市長は、施政方針の中で大型プロジェクトを先にありきとしながらも、財政状況の厳しさをうたい、行財政改革が待ったなしの課題だとしています。そして、諸問題を解決するための手段として、(仮称)佐野市行財政改革審議会、正式には佐野市政策審議会を立ち上げるとしています。その審議会では、すべての可能性を検証するためとして聖域のない問題提起を行い、専門家による正確な実態分析、第三者による公正、公平な判断、すべての情報の開示としながら、最後に時間をかけないで迅速な審議会答申を求めていくことを考えていくとしています。市長が選挙中に出しましたマニフェストには、「合併協定項目60項目を一つ一つ着実に推進して、実りある合併の成果を上げ、合併の真の目的である行財政改革を断行するために、旧1市2町で初の諮問機関を設置します」としています。岡部市長の言う実りある合併の成果、合併の真の目的である行財政改革の断行とはどんなものを言っているのでしょうか。施政方針では、「この佐野市の合併の背景になった少子高齢化の進行、生活圏の広域化、地方財政の悪化などの諸課題に的確に対応し、合併の効果を目に見える形であらわしていく必要がある」と市長は述べています。ここで言う合併の効果、合併の真の目的とは何でしょうか。日本共産党市議団が行ってきました市民アンケートの回答には、「合併による不安は何ですか」という問いに対し、今後税金や公共料金が高くなるのではないか、さまざまなサービス低下が行われるのではないか、行政が遠くなり、住民の声が届かなくなるのではないかなど、市民からは切実な声となってあらわれています。ことし3月29日付で総務省が各自治体に通知した文書の中に、地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針があります。総務省は、この指針で各自治体に2005年度から2009年度までの具体的な行政改革の取り組みを明示した集中改革プランをつくり、2005年度中に公表することを求めています。この中には、都市再生など財源を集中的に投入させたい分野は温存し、住民犠牲の改革を進めさせようとした指針の内容になっていることを指摘しておかなければなりません。この総務省の集中改革プランの内容として、事務事業の再編整理、指定管理者制度を含む民間委託等の推進、過去5年間の全国総定員の純減実績、マイナス4.6%を上回る定員削減目標の設定など、9項目を盛り込むとしています。これは、2007年度からの中期地方財政ビジョンに基づき、各自治体への交付税削減の対応を求めるためのものだと言われています。今地方交付税の財源保障、財政調整機能の堅持、強化は自治体関係者の強い要求であり、共同した運動の強化が今後重要になってくると思います。さらに、住民の命や暮らしを守るという観点での自治体本来の責務を果たす立場での民主的な効率化と財源確保の取り組みは、自治体裁量として自主的に進めていくことが求められてきていると思います。ここでお聞きいたしますが、行政改革について迅速に進めるとして、佐野市政策審議会をつくるとしていますが、行政改革の内容が住民サービスの切り捨てにつながる危険性があると考えます。総務省のその文書の中には、公正の確保と透明性の向上として地方公共団体の自己決定権の拡大に伴い、住民等への説明責任を果たし、議会や住民等の監視のもとに公正の確保と透明性の向上を図ることが一層必要である。このため、情報公開条例や行政手続条例の制定、パブリックコメント手続制度の積極的な活用などを行うとともに、外部監査制度の有効活用、議会における政策審議の充実などによって、議会や監査委員などによる監査機能の強化に積極的に取り組むこととなっています。この政策審議会を設置するということで民意を聞いたということにするのではなく、住民の意見をよく聞くこと、そして議会の機能を充実する方向で進んでいかなければならないと考えますが、このことについてお聞きしたいというふうに思います。そしてまた、この政策審議会の構成につきましては、何よりも住民の意思が十分反映できる構成に気をつけていかなければならないと考えますが、そのお考えをお聞きしたいというふうに思います。
次に、四つ目にお聞きいたしますが、まず新庁舎建設についてお聞きいたします。市長は、施政方針の中で新庁舎建設を早急に取り組まなければならない大きな課題と位置づけています。今合併協議で決まった佐野市役所、田沼庁舎、葛生庁舎の分庁方式で業務が進められています。この安佐合併に至っては、新庁舎建設関連について具体的には何も市民に示されずに新市がスタートいたしました。お隣の大平町、岩舟町、藤岡町での合併協議では、この庁舎建設の位置の問題で破綻したことは言うまでもありません。市役所は、市民の暮らしに欠かすことのできない身近にあるものでなくてはなりません。私たち日本共産党市議団が行った市民アンケートの回答には、合併の不安とはという問いに対し、行政が遠くなってしまうのではないかとありましたが、この庁舎のあり方も大きくかかわってくる問題だと思います。また、同じ市民アンケートの回答として、「新庁舎建設についてどう考えますか」という問いに対して、税金のむだ遣いになるので今までの分庁舎方式を続けるべきだという声が圧倒的でした。この声は、そのほかにもとても多く聞かれます。住民の暮らしが大変せっぱ詰まっている、そのような反映ではないでしょうか。合併後、今分庁舎方式で進めるに当たっても、既に10億円以上の税金がさまざまな改修やコンピューターの設置などに使われてきました。ですから、税金のむだ遣いにつながることがこのことからもよくわかることです。ここでお尋ねいたしますが、新庁舎建設について、建設するのではなくて、税金のむだ遣いにつながるので、今までの分庁舎方式を続けるべきだという市民の多くの声に対し、市長はどのように考えますか、お答えいただきたいと思います。
次に、佐野内陸コンテナターミナルについてお聞きいたします。市長のマニフェストの中には、北関東自動車道路の開通を目前に、市内の鉱山跡地に内陸型海上コンテナ集積地を創生し、新佐野市全域に大きな経済効果を波及させながら、物流効率化に資する事業として県内初の経済産業省補助事業を受ける民間事業者グループがおられます。このような民間パワーを支援することで、新佐野市内に点在する鉱山採石跡地の緑化推進及び高度化を図ります。合わせて環境保全と安定財源の確保を目指して、この夢の実現を国、県に強く働きかけてまいりますとしています。市長は、この事業を民間グループを支援し、推進の立場に立っておられるようですが、今後費用対効果の面、住民の意見など十分検討した上で進めるべきではないかと考えますが、どうでしょうか、お答えください。
五つ目にお聞きいたします。市民病院の問題についてお聞きいたします。この市民病院の問題では、市長は施政方針の中で市民病院の経営改善を含めた行財政改革など、早急に取り組まなければならない大きな課題だと述べています。市民の命と健康を守るために、今後充実発展させてほしいという声は、私たち日本共産党市議団が行った回答の中に圧倒的に多くありました。市民の切実に願う市民病院としての存続の方向が重要という立場でお尋ねいたします。今国のさまざまな医療制度改悪の中で、公立の病院がさまざまな岐路に立たされています。2004年の夏の時点で、自治体病院数は全国で1,007であり、全病院の1割を占めています。職員23万人、1日平均の入院、外来患者は73万人で地域医療の中核を担っています。しかし、総務省は公立病院の6割は赤字であるとして、不採算施設の閉鎖や民間病院への業務委託を徹底するとしています。既に石原都政は、2003年1月に都立病院改革実行プログラムを策定し、都立病院の統廃合、民営化を強行しています。横浜市も全国で初めて指定管理者制度による市立新港湾病院の民営化をことし2月の議会で決定しました。しかし、指定管理者には開業準備は受託者側の負担で行う、収入が目標を下回った場合は委託料を減額するというペナルティーまで課しています。ですから、これでは収益最優先の医療になるのではないかと不安の声が上がっているとのことです。同時に、自治体病院を経営体として純化、強化することをねらった地方公営企業法の全部適用も全国で急速に拡大しています。さまざまな国の改悪もあるところですが、今まで旧田沼町、旧葛生町の中で果たしてきた拠点病院としての地域医療の中核を担ってきた市民病院の役割を今真っ正面からとらえなければならないと思います。現在長引く不況と収入の連続低下、医療費の自己負担の増大などで、受診、医療抑制が拡大し、命と健康の問題が深刻な事態になってきているときだからこそ憲法25条を具体化している、どこでもだれでも安心して治療を受けられる地域の拠点病院として、市民病院を充実させていくことが求められているのではないでしょうか。私は、新庁舎建設をするのであれば、市民の健康と命を守るべき施設として市民病院をしっかりと残すべきと考えます。そして、経営改善をして、医者を充実させて残してほしい、市民の声はそうだと思います。どうでしょうか。ぜひお答えください。
六つ目にお聞きいたしますが、旧佐野市、旧田沼町、旧葛生町との対等合併というなら、今までのそれぞれの施策や伝統を大事にして進めるべきと思います。このことについてお聞きいたします。公共事業については、市民が求めていない開発型の大型プロジェクトに巨額の税金をつぎ込むのではなくて、軸足を生活道路の整備や学校や保育園の整備、市民生活密着型の事業に使う、そして今あるものを大切にして維持更新していくこと、このことにより隅々まで行き届いた均衡ある発展が図れると私は思いますが、いかがでしょうか。1市2町が合併したからこそ集中した都市基盤整備にお金を使うのではなく、市長みずからが述べているように12万7,000の住民が文化や伝統、そして長い年月でつくり上げられたコミュニティーを大切に、人間らしく豊かに生きられるバランスのとれた新佐野市にしていくべきではないでしょうか。ですから、新佐野市が地方自治体の本来の姿になって、中小企業や農業、商店への支援、子育て支援、高齢者の介護や医療、福祉の充実など、限りある財源を充てていくことが大切ではないかと思うのですが、どうでしょうか。それぞれ長年培われた今までの施策や伝統を大事にしていくべきと考えますが、いかがでしょうか、ぜひお答えください。
七つ目にお聞きいたします。市長は、施政方針の中で六つの施策について述べています。マニフェストに基づいてお聞きしたいと思います。これは、先発の議員と重複するところがあると思います。一つ目に、高い危機管理能力を持った犯罪のない安全なまちに関してお聞きいたします。地域防災計画を常に洗い直して、現状とのミスマッチを解消します。この中身と決意をお聞きいたします。また、マニフェストには交通弱者に配慮した市民バスの有効再配置します。さらに、そのバス停はコミュニティーバスストップとして段階的に整備します。この具体的内容と決意をお聞きいたします。
二つ目に、働きやすいまちに関してお聞きいたします。起業家を支援して新規事業の創生を促します。この中身と決意についてお聞きいたします。また、若者から高齢者に至るまでのライフスタイルに合わせた就労機会を得られる産業誘致についても述べています。その内容と具体的な中身についてお聞きいたします。
三つ目に、安心して子育てができるまちとして、子育て支援策の充実について述べています。マニフェストでは、幼稚園と保育園の連帯を促し、有機的に機能する預かり保育、学童保育の拡大、拡充等の充実を図り、個々のライフスタイルに適応する子育て支援策を行うとしています。この中身と決意についてお聞きいたします。また、第2子、第3子の出産をみんなで祝う宝物ありがとう祝金を創設いたしますとしていますが、この中身と決意をお聞かせください。
四つ目に、教育の問題について取り上げています。この中では、特色を持った教育と心の教育ができる教育のまちについて述べています。まず、教育の基本点についてお聞きいたしますが、この日本は世界でも異常な競争主義、管理主義の教育が今子供たちの心と成長を深刻に傷つけている状況だと言われています。すべての子供たちが一般教養をしっかりと身につけられる原点に立った教育のあり方、そしてすべての子供たちが人間として大切にされると実感できる学校をつくってこそ子供たちの中にお互いの人格を尊重する態度が生まれてくること、この基本点を大切にした教育のあり方が求められていると思いますが、どうでしょうか、お聞きいたします。そして、市長が言う特色ある教育と心の教育とは何でしょうか、お聞きいたします。
五つ目に、自然を大切にした豊かな住環境が実感できる住みやすいまちとしています。自然豊かな住環境とは、そして住んでよかったと言えるまちに関してお聞きいたします。
六つ目に、みんなで助け合って生きがいのある老後が過ごせる助け合いのまちづくりについてお聞きいたします。高齢者の介護予防と健康づくりを行う寝たきり高齢者ゼロ運動を推進するとともに、社会教育活動や環境問題等に対応するため、市民活動促進条例を策定し、市民活動の促進に努めてまいりますとしています。この中身とその決意をお聞かせ願います。
以上で市長の施政方針に対する1度目の質疑とさせていただきます。よろしくご答弁をお願いいたします。
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