◆1番(岡村恵子) おはようございます。ただいまから一般質問を行わせていただきます。
一つ目に高齢者福祉と介護保険について、二つ目に小中学校の教育環境整備について、三つ目に子育て支援について、四つ目に障害者自立支援法施行に関して、以上この4点についてお聞きいたします。
一つ目に、高齢者福祉と介護保険についてお聞きいたします。介護保険法の改正によりまして、昨年10月からは施設入所者の利用料が大幅に引き上げられ、ことし4月からは介護保険料の見直しなど市民の方の負担がかなりふえてきています。さらに、この10月からは制度改定によって必要な介護が受けられなくなるという問題も浮上してきました。厚生労働省が行った調査によりますと、施設入所者の食費、居住費の全額自己負担増による退所者数は、30都府県で1,326人に上り、他の県も含めますとそれ以上、相当な人数になることが明らかとなりました。
この4月からは第3期の事業計画の中で保険料の見直しがなされ、本市は基準月額が1,000円以上の引き上げとなり、県内一高い状況になってしまいました。それに加え、国の地方税法改正による高齢者の非課税措置の廃止や各種控除の縮小、廃止などで、収入がふえていないのにもかかわらず保険料負担段階が一挙に引き上がるという結果になってきています。本市では、市県民税の大幅な引き上げによって驚いた高齢者の方々約300人が税務課に、そして介護保険料の納付書が届いてすぐ何かの間違いではないかといった問い合わせが介護保険課の方に1日五、六十件くらい約1週間続いたとのことでした。会った高齢者は口々に負担が一挙にふえてどうしたらよいのか、早く死ねということだなどという会話も交わされ、私の方にも何とかしてほしいと訴えかけられました。高齢者をねらい撃ちした負担増であります。
今回の質問では、この声を初めに代弁しなくてはという思いでこの質問に臨んでいます。まず、この引き上げられた介護保険料についてお聞きいたします。根本的には国が出すべき割合を引き下げてしまったことが高齢者への負担となってあらわれてきているわけですが、国が出すべき割合を引き上げる努力を市としてもぜひ国に上げていただきたいと思います。また、千葉県の浦安市や埼玉県の美里町では高齢者の負担を考慮し、一般会計からの繰り入れをして保険料の値上げを抑えたところもあります。そして、市独自でも最大限、特に所得の低い方々の軽減制度実施をより積極的に進めていただきたいと思いますが、どうでしょうか、お聞きいたします。
さらに、税制改正による介護保険料の負担増がかなりきついものがあります。今まで収入が低いということで非課税であった方々も非課税措置の廃止など、均等割の課税になっただけでも介護保険料は3段階から一挙に5段階などに引き上がって、金額にして年間3万円台から5万円台に一挙に引き上がった方々もいます。2年間は激変緩和措置をとっているといっても大変な負担増です。
ここでお聞きいたしますが、今回の税制改正による介護保険料の負担増は何人に影響し、激変緩和措置がとられている平成18年度の負担増の総額、激変緩和措置が切れる2年後には幾らの負担増になってくるのか総額でお聞きいたします。
次に、要介護3から5の方に適用になる障害者控除の問題です。この周知徹底について前から何度も要望してきましたが、今回の9月1日号の広報に掲載をされ、市民の方から早速見ましたよという声がありました。今大変負担がさまざま引き上がっている中で、要介護3から5の方で障害者控除を受ければ税金が安くなる方々の人数をお聞きいたします。そして、本来適用となる人は何人なのでしょうか。その場合、市民の方の住民税の負担が減る金額は総額幾らになるのでしょうか、お聞きいたします。
次に、法律改正によってまた大変な問題があります。この10月からは要支援の方、そして要介護1の軽い方から、使用している方々から特殊ベッドや車いすなど福祉用具を取り上げてしまう問題です。法律を改正して必要な方から福祉用具を取り上げるなどということは本来あってはならない、これは撤廃すべきと思います。厚生労働省は、現場での波紋や混乱を受けてか、8月14日付で各都道府県の介護保険担当課あてに「福祉用具貸与費及び介護予防用具貸与費の取り扱い等について」といった文書を送っています。この中で、留意点として「保険給付対象となる軽度者の確認として、今般の制度改定においても例外的に福祉用具が必要である者に該当すると判定された者については保険給付の対象となるので、軽度者をもって機械的に保険給付の対象外とすることのないよう、こうした例外に該当するか否かについて確実に確認するよう留意するとともに」、まだまだ続きますが、などと言っています。この福祉用具についての制度改定については、現場での混乱が広がっている一つになっておりますが、多くの軽い方がこの例外に当てはまらない、福祉用具の対象にならないことは明らかです。なぜなら、例外とは例えばベッドの場合寝返りができないなどということですから、軽い方では考えられない内容になっています。あるケアマネジャーさんはこのように言っています。あるひとり暮らしの利用者について、「下肢機能全廃の人がいますが、要介護認定1でどうにか介護サービスを受けてベッドの生活をしています。右人工関節置換術を2回行い、痛みどめを使用し、何とか生活をしていますが、ベッドがない暮らしは考えられません。医者も必要性を認めています。今回のこの法改正は、この方からもベッドを取り上げてしまうのでしょうか」と訴えています。
ここでお聞きいたしますが、要支援1、2、要介護1の方で今何人の方が福祉用具を利用していて、例外として今後認められるであろう方、そして例外とならず10月から取り上げる対象になってしまう方がどのぐらい佐野市内にいる予想なのかお聞きしたいと思います。そして、今全国の自治体で、福祉用具取り上げの法改正でありますので、この対策といたしまして広がっているベッドのレンタル費用の助成制度の創設、また旧葛生社協が行っているベッドなどの無料貸し出し制度の充実を行って必要な方が不便を来さないようにすることがどうしても必要と思いますが、見解をお聞きいたします。本市としては対応をどのようにしようとしているのでしょうか。
次に、移送サービスについてですが、人工透析の方など要介護から要支援に回されたことで事業者から移送サービスを断られるケースが出てきています。本市でも約1,000人の方が法改正によって要介護状態からいやが応でも要支援に回される方、この方が予定されておりますが、今よかったね、要介護のままでという言葉が現場では飛び交っているそうです。本来よくなって軽く認定される結果であれば喜ぶのが普通なのに、本来あり得ない皮肉な現象ではないでしょうか。今までどおりの移送サービスが受けられるために次の事業者をきちっと紹介するなど、市の対応、包括支援センターの対応などの指導を徹底すべきではないかと思いますが、どうでしょうか、お聞きいたします。
一つ目の質問の最後になりますが、移送サービスとの関連で、今高齢者向けなどに巡回バスが切実に求められていると思います。今検討委員会で検討が進んでいると思いますが、これらの高齢者の方々や交通弱者の方たちが低料金でしっかりと利用できるものが待たれていると思います。福祉の観点から先ほどのような方々が利用できるような、しっかりと位置づけをされることが重要と思います。このことにつきましてお聞きいたします。
介護保険関係の最後になりますけれども、この質問に当たりある事業者の方からこのような声が寄せられましたので、紹介をいたします。本来行政が行うべき高齢対策の中で重要なポジションを占める地域包括支援センターがわずか三、四人の職員で運営されている、10月からの要支援に絡む部分がどんな体制で長生きしてよかったと思える社会に取り組むつもりでいるのか、これからの高齢社会を支えていくためにしっかりと取り組むべき大切なチームが機能不全でなかなか立ち上がらないと一番困るのは高齢者、佐野市民である、この機に及んで具体的対応策が現場に合わせてシミュレートされていないとしたら、市と地域包括支援センター運営協議会の怠慢と言わざるを得ないという声です。専門的な現場からの声でありますので、紹介をさせていただきました。
二つ目に、小中学校の教育環境整備についてお聞きいたします。本市におきましては、行財政改革と称した各学校に配置されていた用務員引き揚げ問題がありました。現場やPTAの方たちからも大変な反発を受け、議会でも問題になり、10月の2学期から5時間ではありますが、各学校に再配置されるような補正予算が今回今議会に上程をされ、今審議がされています。
今回私は教育環境整備に関して、これ以外の三つの点についてお聞きしたいと思います。その一つ目は、子供たちの一番いる時間の長い普通教室の暑さ対策の問題です。この猛暑でクーラーや扇風機などを取りつけなければ集中した学習ができないのではないかと感じたからです。私は、2000年ごろの議会でも1度取り上げさせていただきました。この問題は情感から言っているのではなくて、文部科学省は学校環境衛生の基準として次のように定めています。この基準は、学校保健法に基づく環境衛生検査、事後処置及び日常における環境衛生管理等を適切に行い、学校環境衛生の維持改善を図ることを目的とするとし、判断基準として冬季では10度以上、夏季では30度以下であることが望ましい、また最も望ましい温度は、冬季では18度から20度、夏季では25度から28度である、相対湿度は30%から80%であることが望ましいとしています。今特に改善されていない夏の暑さを改善させ、子供たちの学習を集中して行えるようにすることが求められているのではないかと考えます。ある調査結果では、2000年の調査ではありますが、28度を超える教室は約86%、30度を超えるのは約51%となっているなど、特に近隣の東京都や埼玉県のデータでは28度を超えるのが約98%、30度を超えるのが約76%に上っています。そして、その報告書には、まるでサウナ、蒸しぶろ状態、午前中から30度を超える、汗びっしょりで朝から服はべとべと、思考力が低下し、学習効果が上がらないなどといった声も報告されています。文科省は、これらの調査や切実な声を受けて、2003年度から10年間で原則として全公立小中学校を冷房化する方針を固めましたが、その後財務省との予算折衝で方向転換してしまい、冷房化の補助をするものの、新増改築以外の普通教室は対象としないと当初の方針を後退させてしまったという経過があるようです。ですから、文科省も大もとではその必要性を認めているわけです。国会答弁の中でも普通教室の温度は基準を超えて劣悪な環境になっていると述べ、10年間で全国の小中学校の普通教室30万室への空調設備の導入方針を打ち出し、その具体化として2003年度には予算概算要求で3万教室分100億円を要求していました。
ここでお聞きしますが、適切な環境管理として普通教室の冷房化、またはそれができなければ扇風機の設置など市として進めていく必要を感じますが、見解を求めます。
二つ目に、教職員の勤務状態から見る労働安全衛生法の適用に関してお聞きいたします。1995年度に当時の文部省、自治省と財団法人地方公務員安全衛生推進協議会が共同で公立学校における教員の安全衛生管理に関する研究会報告書がまとめられました。その中で、公立学校職員の安全対策は事業者たる地方公共団体の基本的な責務であること、県費負担教職員を含めた市町村立学校職員の安全衛生対策は学校の設置者である市町村の所管であること、公立学校職員の勤務条件について、人事委員会、市長は労働監督機関として公立学校の職員の安全衛生管理に関して指導力を発揮することが期待をされていることなどとし、公立学校職員に対する地方公共団体の責任を明確にしました。これらは、いかに健康で働きたい、教育活動を充実したものにしたい、子供たちの安全と成長を保障したいとのはざまで疲労を蓄積した勤務を余儀なくされているかのあらわれだと思います。
ここでお聞きいたしますが、既に宇都宮市、栃木市などでも適用させているということですが、本市でも早いうちの教職員の労働安全衛生法の適用を求めます。どうでしょうか。
三つ目に、教育現場からは小中学校の振興費や管理費など増額を求める声があります。ある学校を訪問したところ、図書室を見ていってくださいと言われました。必要な本さえ買えない状態であると訴えられました。このことについては、教育委員会との話し合いの中でいつも要望していると現場の方も話していました。次世代を担う子供たちの教育環境に対し、管理費や振興費の増額を求める声にこたえていくべきと考えますが、いかがでしょうか、お聞きいたします。
三つ目に、子育て支援についてお聞きいたします。今子育て支援を求める声が強い中で、若い夫婦が住みやすく、この市に住んでよかったと言える支援策を充実させていくことは重要と感じます。経済的な問題や生活の多様化の中で、父子、母子家庭の増加、共働きする夫婦、さらに虐待問題などさまざまな現象があらわれています。子供たちの医療費の無料化など子育て支援策は全国的にも、そして本市でも子宝条例や保育の充実、また学童保育や児童館、ファミリーサポートセンター、子育て支援センターの設置や充実など実施されてきているところですが、私は広島県呉市などの先進地に学んで、一歩進んだきめの細かい施策の実施を求めたいと思います。
7月に本市議会の厚生常任委員会の視察で呉市の子育て支援事業を見てきました。この呉市は、平成16年6月に子育て支援総合推進モデル指定をされています。このモデル指定は全国49市町村あるそうですけれども、国や県の施策に加えて市独自できめ細かい施策がなされていたことがとても印象的でした。この中でぜひ本市でも積極的に取り入れていく必要があると感じられたものを提案し、実施を求めたいと思います。まず、子育てヘルパー派遣事業、これは乳幼児を抱えて養育が困難になっている家庭に対し、子育てヘルパー、保健師や保育士などを派遣して家事の援助や技術の指導等を行うというものです。呉市では約70世帯ぐらいいて、無料で派遣をしているとのことでした。また、子育て家庭育児支援事業、これは保護者が病気等で児童の養育が一時的に困難になったときや仕事等で恒常的に帰宅が夜間に及ぶとき等に児童養護施設等で一定期間お世話をするというものです。次に、集い広場事業で、乳幼児を持つ子育て中の親が気軽に集い、交流するとともに、子育ての相談などができる場を提供するというものです。この子育てサロンは、毎週火、木曜日、そして第3土曜日の午前中ということで、出前子育てサロンも実施しています。次に、乳幼児健康支援一時預かり事業としまして、病後児保育、これは児童等が病気の回復期で集団保育等が困難な期間、病院付設の専門保育室で一時的に預かるといったものです。それぞれとも大変心強い施策と感じましたので、ご提案申し上げ、本市でもぜひ取り入れて子育て支援をより充実させていくべきと思いますが、実施のお考えをお聞きしたいと思います。
次に、低年齢児保育の充実が求められていると思います。相談を受ける中に大変ふえていまして、保育園側でもこの問い合わせが最近特にふえてきていると言っていました。風の子保育園では、来年30人定員増をいたしますが、低年齢児のみではありませんので、限りがあります。さらに全体の枠拡大が求められていると思いますが、どうでしょうか。
四つ目に、障害者自立支援法の施行に関してお聞きいたします。この問題は、私の一般質問で3回連続取り上げてきていますが、特に10月からの本格施行を前に関係者の間からも大変な不安が広がっています。1割の利用料負担など4月実施で行われていますので、この自立支援法の実態が何をもたらすものか既に明らかになってはきていると思います。さらに、10月から新体系に移行されますので、関係者から大変な深刻さが訴えられてきています。
私は、この間幾つかの事業者から話を聞いてまいりましたが、小中の知的障害者施設では、概算になりますが、年間約6,000万円の減収になっていくとのことでした。今まで同じ法人の通所施設など本体施設があったために支えることができてきたが、これからはそのような状況ではなくなってしまう、現場職員のやる気に支えられているなどとも言っていました。そして、通所施設の利用者で1割の利用料が払えないためにやむなくやめていった人もいたとのことです。精神障害者関係も自立支援法に組み込まれ、関係者はこれは一定の前進面と言える点があるが、新体系に移るに当たり、どれだけの予算が確保されるのかが一番重大な問題だと述べていました。
今のサービスを落とさないためには、どれだけの職員が配置できるかという切実な問題であるとのことでした。例えば今まで運営してきたグループホームや共同作業所、そして生活支援センターなど新体系に移るわけですが、作業所については国が義務的経費の事業に移行する要件を20名定員などとハードルを高くしているために、市の事業である地域活動支援センターという形に組み込まれ、再構築される面があります。小規模作業所については、今までの1カ所110万円の補助金も2005年度限りで打ち切りになっています。この新体系の地域活動支援センターは、地方交付税による補助事業600万円をベースにして、その上に3種類の機能強化事業を組み合わせるというもので、1型でプラス600万円、2型でプラス300万円、3型でプラス150万円となっています。ですから、どれだけ市が予算をとっていただけるかにかかっていると言っておりました。
この補助金は、地域生活支援事業全体の一事業であり、他の事業もある中で、統合補助金の枠内で市の裁量による予算配分で決められるものです。この補助金の金額は、本市は国として後期分内示額が、私の情報ですと1,990万6,000円と得ていましたけれども、本議会の補正予算を見ますと1,463万9,000円のようです。先日の下野新聞に一面に大きく載った精神障害者関係の事業者のことですが、これは全国的傾向で、県内のどこも同様の状況であるということですが、市として独自に予算を確保して補助をふやしていただかなければ成り立っていかないとのこ とでした。しかし、市も財政的に厳しいという理由で、再編に当たり一番補助の多い1型を希望していたが、3型となってしまい、必要な人件費の確保が難しい状況に追い込まれているとの話でした。利用者へのサービス低下はさせないつもりでも、職員が息切れをしてしまったら続かなくなるという切実な問題があるとのことです。ですから、市の上乗せ措置が求められています。
ここで、一つ目に岡部市長にお聞きいたしますが、障害者自立支援法施行により1割の利用料負担が払い切れないなど、そして事業者などが必要なサービスを打ち切るなど、現場の方々が切実に訴えていますように、サービス低下があってはならないと考えますが、市長としてどのようにお考えか見解を求めたいと思います。 次に、具体的サービスを利用している人たちなど、今回の自立支援法でどれだけの影響を受けているのか市として実態調査を行う必要があると考えます。全国的には積極的に調査を行っております。どうでしょうか、お聞きいたします。 次に、10月から始まる地域生活支援事業の内容が条例ではなく要綱でまとめられ実施がされるということで、議会にもかかりません。その内容について明らかにしていただきたいと思います。そして、その中で移動支援である今まで無料の人が大変多く、ガイドヘルパーなど利用していた方々、この人たちも1割の利用料をもし支払わなければならない状況になれば大変な状況になると思いますが、利用料を市として助成し、安心して利用できるようにすべきと考えますが、市当局のお考えをお聞きいたします。
最後になりますが、自立支援給付についての1割の利用料負担、これを独自に助成するところが大変ふえてきています。例えば横浜市では、障害者自立支援法負担額助成事業として、定率の利用者負担額について、新たに負担が生じる低所得者のサービス利用を支援するために、市民税非課税世帯に該当する利用者、自立支援法で低所得1、低所得2の区分の方に対し独自の利用者負担額の全額助成を行うなど軽減策をとってきています。本市でも低所得者に配慮をするなどして早いうちに利用料の独自軽減を行って、必要なサービスが受け続けられる状況にすべきと考えますが、見解を求め、以上で1回目の質問を終わらせていただきます。よろしくご答弁をお願いいたします。
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