1.国民健康保険について
2.介護保険について
3.クーラー(エアコン)助成と電気代補助
4.子宮頸がんワクチンの集団接種化について

議会報告・2010年(H22)第3回定例会
9月9日(木)質問と答弁(全文)

・国民健康保険,介護保険,エアコン助成,子宮頸癌ワクチンについて

〇4番(岡村恵子) ただいまから一般質問を行わせていただきます。

 1つ目に、国民健康保険についてお聞きいたします。すべての人に保険医療を公的に保障する国民皆保険として始まった国民健康保険制度、今保険税の高騰、滞納者への制裁としての保険証取り上げ、ふえ続ける無保険者の問題等々、一刻も放置できない深刻な状態になってきております。特に不況や労働環境の悪化などで貧困と格差が広がってきている中ですので、その矛盾の溝は深まるばかりと言わなければなりません。

 1984年度、全国の国保加入世帯の平均所得は179万円、1人当たりの保険税は3万9,000円でありました。その後、バブル期には平均所得は276万5,000円までいきましたが、2007年度には166万9,000円と再び落ち込み、このときの保険税は1人当たり8万4,000円と引き上がってきております。いただいた資料を見てみますと、本市で、平成20年度の数字ですが、1人当たりの保険税は9万5,248円になっております。所得が落ち込む中、保険税は2倍以上となってきました。世帯で見れば所得300万円台で30万円、40万円の負担にもなってきております。本市でも平均、平成21年度決算で加入世帯の約74%が総所得金額200万円以下であり、滞納世帯も年々低所得者に集中してきているのが現状となっています。

 大もとを振り返ってみますと、国民健康保険法では国保を社会保障及び国民保険の制度と規定しております。1938年に施行された旧国民健康保険法では、相扶共済の制度と規定しておりました。これは、健兵健民政策の一環として戦前につくられた旧国保法であります。しかし、1958年施行の新国民健康保険法では、憲法第25条に規定された国保は生存権を守る社会保障制度としております。ここには相互扶助という言葉はありません。

 では、なぜ国保税の高騰が起こったのでしょうか。見てみなければなりません。それは国保の国庫負担が1984年の国保法改正で医療費の45%とされていた定率国庫負担を医療費50%から給付費の50%に改定したためです。給付費とは、医療費10割のうち個人負担が3割、そして給付費は7割でありますので、医療費全体から見てみますと7割の半分、35%に削減をされたわけです。高額療養費、これは負担限度額を超えた分を全額給付される制度でありますけれども、この高額療養費国庫負担を3.5%と見て、これを入れて国庫負担38.5%という数字が出てくるわけです。それ以外にも1980年代から90年代にかけて事務費の国庫負担の廃止、保険税減額措置に対する国庫負担の廃止、助産費補助金への国庫負担の削減など、国はその責任を次々と後退させてきました。その結果、国保の総収入に占める国庫支出金の決算値から見た割合は、80年代に50%であったものが2007年には25%になってきています。この国庫負担25%という数字は、厚生労働省保険局「国民健康保険事業年報」に記載されている数字で、政府も認めているところです。ですから、この削減分が市民の保険税に転嫁され、保険税の高騰につながってきました。そして、国の構造改革や規制緩和などの失政が国保加入者の所得をどんどん減少させる中、国が国庫負担を復元することをしなかったため、今回の国保の危機を招いたと言っても過言ではありません。

 ここで1つ目にお聞きいたしますが、保険税高騰の理由をどのように認識しているのかということです。今この国保の危機的現状を打開するためには、国庫負担をもとに戻させることなど、抜本的対策なしには改善することはできないと考えますが、市当局としてどのようにお考えかお聞かせください。一昨日の寺内冨士夫議員に対する市長の答弁は「必要な抜本的改革を国において行うべき」と述べています。改めてお聞きいたします。

 国保法第4条では、国保の運営責任は国が負っていることを明記しています。国は、1984年の国保法改正で退職者制度を創設し、サラリーマンや公務員を退職して国保に加入した人の給付費は健保や共済から支払われるものとし、国庫負担ゼロといたしました。さらに、先ほども触れましたが、7割、5割、2割など低所得者の国保税を軽減し、その分を公費で補てんする事業も国庫負担を廃止し、今では市が4分の1、県が4分の3の負担になってきています。

 国庫負担の削減はこれにとどまらず、市が単独事業として子供たちや高齢者、障害者などの医療費の窓口無料化を行った場合、ペナルティーとして国庫負担を削減する地単カットも行っています。窓口無料化によって不必要に医療費を膨張させたから、その分の国庫負担はしないという理屈を立てて国庫負担を削減するペナルティーを行ってきているのです。また、医療費総額が政府の決めた基準より高い指定市町村、さらに国保税の収納率が低い自治体も国庫負担の削減が行われております。もともと低所得者が多く加入し、保険税に事業主負担もない国保は、国の適切な財政支援があって初めて成り立つ制度であります。

 ここで市当局に質問いたしますが、国保法第4条では国保の運営責任を国が負っていることを明記しておりますが、国は国庫負担をもとの45%に戻すどころか、先ほど述べたペナルティーを行ってきています。市当局は、これらのやり方に対しどう考えるのかお聞きしたいというふうに思います。

 国保の運営主体は市町村でありますが、国保法第4条では県にも国保事業を健全に運営するための必要な指導をする義務を課しています。1990年代まで大多数の都道府県は市町村国保に法定外の独自支援金を繰り入れ、援助してきました。これは法律に定めがなくても都道府県が独自の条例や要綱等に基づいて支出しているものでした。一方、国の三位一体改革によって、国庫負担、給付費の50%のうち給付費の7%は税源移譲と引き換えに県が出すことになりました。これらを口実として、この間、この独自支援金をやめる県が大幅に広がってきている状況です。この10年間で独自支援金なしの県は9県から34道府県にふえてきております。地単カット、国からのペナルティーの国庫負担の削減分を、県が福祉の観点から補てんするための支出であったわけです。まさに国の悪政から県民の医療と国保を守るための財政支援だったわけです。全国の都道府県の独自支援金の総額は、2000年度には321億8,826万5,000円であったのに対し、2010年当初予算で84億1,826万4,000円と4分の1に落ち込んできております。1996年には540億4,324万8,000円であり、この金額から見れば今は16%に落ち込んできています。これらも市民の保険税高騰の要因となっていると見なければなりません。

 ここでお聞きいたしますが、栃木県の独自支援金の推移と現状についてお聞きしたいというふうに思います。   次に、被保険者の所得が年々減少してきている中、滞納世帯も低所得者に集中してきております。高過ぎる国民健康保険税がこのような構造的状況をつくり上げていると言えるのではないでしょうか。

 こういう中、今全国の約70%に上る自治体が一般会計から法定外繰り入れを行っております。その総額は約3,668億円に上っております。新聞報道によれば、1人当たりの一般会計からの繰入金は、平成19年度8,048円でした。しかし、平成20年度は1万134円になっているとのことです。また、この新聞報道では、20年度は後期高齢者医療制度が施行され、被保険者が1,000万人減ったが、法定外の繰り入れ状況はほとんど減らすことがなかったため、1人当たりの繰入金は大幅に伸びたとしております。

 ここでお聞きいたしますが、本市でも一般会計からの法定外繰り入れ、また基金の取り崩しを行って保険税の引き下げを行っていくべきと考えますが、実施へのお考えをお聞きしたいと思います。

 次に、民主党政権は、通常国会で成立した国保法改正によって、都道府県に広域化等支援方針の策定を求めるとともに、後期高齢者医療制度の検討の中で国保の広域化をねらっております。通常国会で成立した国保法改正は、国保を広域化し、都道府県単位に集約するための一連の制度改変が盛り込まれました。5月12日に国保法改定が可決成立して、その1週間後には厚生労働省では保険局長名で県知事あてに「広域化等支援方針の策定について」という通達が送られてきているはずです。この中では、「一般会計繰り入れによる赤字補てん分については保険料の引き上げ、収納率の向上、医療費適正化の推進等により、できる限り早期に解消するよう努めること」としております。とてもひどい話であると思います。この間の市の答弁は、この通達等に拘束されているのではないかと私は思っています。これでは住民の命や健康は守れないのではないでしょうか。

 この広域化への方向についてお聞きいたしますが、本来の国民健康保険の役割から見てみますと、この広域化はますます逆行していくと考えますが、見解を求めたいと思います。

 次に、保険証交付に関してです。保険証交付というよりも罰則による保険証取り上げについて、国が世論にも押されて改善を求めてきた件についてです。

 その1つ目には、子供への保険証交付についてであります。2008年10月30日には子供のいる滞納世帯には短期証で対応するよう通達しております。

 2つに、2008年12月15日には中学生以下の子供に無条件で短期証を交付する法案が可決いたしました。

 3つ目に、2009年12月16日、子供の短期証は郵送などで速やかに送付するよう通達。

 4つ目に、2010年7月から高校生すべてに、短期保険証でありますが、保険証を交付するように求めてきております。

 5つ目に、2009年1月20日、経済的に困窮して医療の必要を訴える人は、大人でも短期証を交付するように事務連絡がありました。

 6つ目に、2009年9月25日、資格証世帯のインフルエンザ対策に対し、関連して医療を必要とする人には資格証を出してはならないという立場を再度表明しております。資格証明書というのは、病院にかかったときに全額の負担をしなければならない過酷なものであります。このように、この間自治体に対して国が改善をさせてきている。これは世論に押されるなど、命や健康を守るために方針変更せざるを得なくなった前進面と私はとらえています。ここでお聞きいたしますが、本市での改善の内容についてお聞きしたいというふうに思います。

 また、改善の7つ目には、非自発的失業者の国保税の軽減についてであります。前年所得に基づく所得を0.3で計算するもので、本議会でもたしか6月定例議会で改正がありました。これも一定の前進面でありますが、救済は失業者一部に限られるとマスコミでも報道されてきております。ここでお聞きいたしますが、本市での状況についてお聞きいたします。この問題は、先発の寺内冨士夫議員も質問いたしました。

 また、国の改善の8つ目に、2009年7月1日、国保法第44条に基づく窓口負担減免制度の活用、国保担当課と福祉事務所の連携による生活保護受給の推進、無料・低額診療の活用などを推進するよう求めてきております。これらのことについて本市での取り組み状況についてお聞きいたします。

 次に、今の質問と重なるようでありますけれども、医療費の3割負担の重さが医療費抑制につながっていることについて、本市での低所得者の窓口負担の減免制度活用の状況についてお聞きしたいというふうに思います。

 国保の質問の最後になりますが、本市の資格証発行の件についてお聞きいたします。本市での資格証明書発行状況は、いただいた資料によりますと、2010年7月1日現在で863世帯、そしてその中の60%が所得200万円未満の大変低所得者の世帯となっています。本市での資格証明書発行を一件でも少なくするために、この間の運用を改善された内容についてお聞きいたしまして、1つ目の質問を終わります。

 2つ目に、介護保険についてお聞きいたします。介護保険制度が施行され、10年が経過をいたしました。介護保険法附則4条には、「10年を経過した場合において、必要な措置を講じる」と規定されておりまして、厚生労働省は法改正に向けて動き出してきています。2011年に法改正を行い、2012年度に制度改正するとの方向であります。また、2012年は3年ごとに行われる市町村介護保険事業計画と介護報酬、診療報酬の同時改定時期にも当たります。このスケジュールでいえば、ことし秋ごろには介護保険改正案をまとめることが必要となるようです。

 日本共産党はこうした中、介護保険制度の検証と安心、安全の介護保険制度への抜本的な見直し、方向を明らかにするために、全国規模でアンケート調査を行いました。調査対象は介護事業者全国3,000カ所、全国政令指定都市等140自治体向けでありました。この中でさまざまな実態が明らかになってきております。「サービス利用を抑制している人がいる」が7割、「要介護認定、問題点がある」が8割、介護現場では7割の人たちが「人材不足」と答え、また「特別養護老人ホーム建設費補助復活、整備目標引き上げを強く求める」など、そして具体的な声としては、「介護費用抑制のためではなく、高齢者の尊厳を守ることを最優先にした制度見直しを望む」という声もありました。

 しかし、今、重大問題として浮上してきている介護保険見直しの動きがあります。2013年度の介護保険制度改定に向けて議論している厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会では、調理や清掃などの生活援助を要支援1と2の軽度者に対する介護保険のサービスから外す案も持ち出され、論議をされてきているところです。これが行われれば、高齢者が在宅で自立して生きていくことを阻むものであり、大問題であると考えます。市当局としてぜひ反対の声を上げていくべきと考えますが、どうでしょうか。見解を求めたいと思います。

 次に、要介護認定の問題についてであります。本市の介護保険の要介護認定が期限内に間に合わないという問題を前回の6月議会でも取り上げてまいりました。このことでは再び取り上げなければなりません。8月末で期限が切れる人で、8月11日に調査員が調査に来て、次の8月12日付で期限内に間に合わないとの通知を受け取った人がおります。これで見ますと、依然として間に合わない事態が続いているようです。いただいた資料を見てみますと、4月で51件、5月で52件、6月で63件、7月で43件と全体申請件数の11%の人たちが間に合っていないようです。この問題で重大なのは、期限を過ぎて要介護認定がおりて軽く出てしまった場合、その差額分を全額利用者が負担しなければならないことであります。実態はどうかということです。前の議会のときの答弁は医者の意見書等のおくれがあると述べておりましたが、これらは期限を半年にしてしまった人をたくさんつくり上げた余波ではないかという指摘もあります。早急に改善すべきであり、手だてはとれるのでしょうか。

 次に、要介護認定の実質申し立てと言うべき状態区分変更手続に関してお聞きいたします。この状態区分変更手続を窓口でしようとするとなかなか受理してもらえないと聞きました。その意図するものは何だったのでしょうか。そして、この間の状態区分変更の件数や状況がどうであったのかお聞きしたいと思います。

 介護保険の質問の最後になります。扱いはいきいき高齢課とは思いますが、養護老人ホームの入所希望等についてお聞きしたいというふうに思います。介護保険適用であれば特別養護老人ホームと区別されるわけですけれども、身寄りがいないなど理由はさまざまであると思いますが、生活相談で受けた件で、市内ではなかったのですけれども、虐待の件数がこのところ申請の理由として大変多いということを耳にいたしました。本市で扱った養護老人ホームの希望実態とその内容、また県内の10カ所への入所待ちの状況等についてお聞きしたいというふうに思います。

 3つ目に、クーラー(エアコン)への助成と電気代補助についてお聞きいたします。気象庁は9月3日、専門家による異常気象分析検討会を開き、この夏、6月から8月の日本の平均気温が、統計を開始した1898年以降113年間で最も高くなるなど、全国的に厳しい暑さとなった要因について分析をし、その結果を発表いたしました。この検討会の会長である木本氏は記者会見で「今回は30年に1回の異常気象だが、近々またこのような経験をする可能性があり、十分対策をとっていただきたい」と話しております。

 同検討会が指摘したのは、1、エルニーニョ現象終息後の昇温効果とラニーニャ現象の影響が合わさり、北半球中緯度の気温が非常に高くなったこと、2つ目に、梅雨明け以降、日本付近の亜熱帯ジェット気流が日本付近でしばしば北側に蛇行し、上層チベット高気圧が日本付近に張り出したことに伴って本州付近でその暖かい高気圧が形成された結果、日本付近は勢力の強い太平洋高気圧の影響を受けやすくなったこと、3つ目として、太平洋高気圧が強かったため、東日本は寒冷なオホーツク海高気圧による影響をほとんど受けなかったことの3つを主な要因としていると述べています。

 こういう中、総務省消防庁は9月3日、8月で全国で熱中症のため救急車で病院に運ばれた人が、昨年8月の4.4倍となる2万8,269人と発表いたしました。本年5月31日から9月7日までの累計ではどんどん更新しております。5万2,017人となり、搬送直後に死亡が確認されたケースも168人に上りました。8月は平均気温がほぼ全国的に戦後最高を記録する猛暑となったことから、熱中症による救急搬送が急増し、ピークは8月17日、1,878人でした。全体搬送者の47%が65歳以上の高齢者だったとのことです。先日のNHK「クローズアップ現代」でもこの問題を取り上げ、「既に冬のインフルエンザと同等の対策をとる必要があり、災害死である」とも述べておりました。熱波関連と見て対策をとる必要があるということです。今議会で内田清美議員が学校へのクーラー設置も必要と取り上げておりました。全く同感です。夏の暑さに対する考え方を変えていかなければならない時期に来ていると感じます。

 まず、1つ目に、ここでお聞きいたしますが、猛暑での高齢者を中心とした熱中症による痛ましい死亡、また病院搬送が相次いでいる中、本市での実態についてお聞きしたいというふうに思います。

 2つ目に、クーラー(エアコン)の設置または修理費などへの補助または電気代などへの補助について、特に低所得者向けの実施を求めますが、見解をお聞きいたします。

 また、電力会社等への電気料金の減免制度の実施を市として要請するなどの措置をとることが必要と感じますが、見解をお聞きいたします。

 最後の質問になります。4つ目に、子宮頸がんワクチンの集団接種化についてお聞きいたします。本市でも来月中旬からいよいよ子宮頸がんワクチンの公費助成が始まります。小学6年生から中学3年生まで2,329人に対し全額公費助成とし、所定の接種回数3回分を助成するものです。今議会一般会計補正予算に盛り込まれ、1億1,870万5,000円、予防費、乳幼児・児童予防接種事業としています。さらに、来年度からの公費助成についても示され、小学6年生を対象とするとなっており、継続した事業としても盛り込まれたことに、この場所でも改めまして敬意を表するものです。今年度は医師会との協議や学校との関係など集団接種には至りませんでしたが、ぜひ来年度からは集団接種に向けて取り組んでいただきたいと考えるものです。

 このことを最後にお聞きいたしまして、私の1回目の質問とさせていただきます。

〇議長(岩崎俊道) 当局の答弁を求めます。 まず、健康医療部長。
(健康医療部長 登壇)
〇健康医療部長(藤掛正男) 岡村恵子議員の一般質問にお答えいたします。

 国保税高騰や保険証取り上げ、無保険者の増大など、国民皆保険を根底から掘り崩してきている。この状況を打開するためには、削減された国庫負担をもとに戻すことなど抜本的対策が必要と考えるが、市当局としてどう考えるかとのことでございますが、医療費の高度化や急速な高齢化による医療費の高騰が追い打ちをかけ、国保財政を圧迫している状況が続いており、苦しい財政運営を強いられている現状がございます。岡村議員のおっしゃるように、国庫負担をふやすなど、国の抜本的な対策が必要だと感じております。

 次に、国庫負担をもとの45%に戻すことをせず、窓口負担無料化や収納率低下を理由とした国庫負担削減のペナルティーを行っている。当局はこれらをどう考えるのか、このお尋ねにつきましては、昭和59年に定率国庫負担が医療費の40%から給付費の40%に変わり、平成18年度からは給付費の34%になっております。また、各保険者の財政力に応じて交付されるべき調整交付金が収納率によって減額されております。新たに65歳以上の方の医療費に応じた前期高齢者の財政調整が行われていますが、医療費の増大等に見合った国の負担が必要であると考えております。

 次に、県にも国保事業を健全に運営するための必要な指導をする義務を課している。本県の独自支援金の推移と現状についてのお尋ねでございますが、県も国保運営上の助言等をもって保険者への指導に努めております。三位一体の改革により、平成18年には4%から7%に県調整交付金がふえましたが、今年度からとちぎ未来開拓プログラムにより、県の福祉対策費補助金が廃止されることになっております。

 次に、今全国の約70%に上る自治体が一般会計からの法定外繰り入れを行い、総額が3,668億円に上っている。本市でも一般会計からの法定外繰り入れや基金取り崩しを行い、保険税の引き下げを行っていくべきと考えるが、実施の考えはとのお尋ねでございますが、平成22年度当初予算では、税収不足を補うため基金繰り入れを行っております。一般会計繰り入れによる補てんについては、先発の寺内議員にお答えしたとおりでございますが、法に定まった以外の財政援助的な繰り出しにつきましては、その性質上行うべきではないとの総務省通知があり、保険料の引き上げ、収納率の向上、医療費適正化策の推進等で解消するように指導されております。

 次に、政府は広域化等支援方針の策定を県に求めるとともに、国保の広域化をねらっている。これらは医療費削減や保険税引き上げをねらいとしている。これでは本来の国保の役割から見てますます逆行するものになると考えるが、見解はとのお尋ねでございますが、国民健康保険の財政単位を市町村としている現状におきましては、小規模保険者が多く、財政が不安定になりやすいこと、被保険者の年齢構成や所得分布の差異が大きいこと、医療機関の偏在による医療給付費の格差が生じていることなどの構造的な問題を抱えています。また、被保険者側から見ますと、保険給付は全国共通であるものの、保険料は市町村ごとに大きく異なり、不公平感があります。こうした問題を改善し、今後の医療保険制度について、将来地域保険として一元的運用を図るという観点から、まずは市町村国保の運営に関し、都道府県単位による広域化が必要となっていると考えております。

 次に、保険証交付について、政府は法改正などで高校生までの人はすべての人に、生活困窮者で医療の必要を訴える人は大人でも交付、インフルエンザの人に資格証を出してはならないなど手直しをさせたが、本市での改善の実態とのお尋ねにつきましては、法の改正に基づき、資格証明書世帯の高校生世代以下のすべての人に有効期間6カ月間の短期被保険者証を発行いたしました。また、世帯主が窓口において医療費を受ける必要が生じ、かつ医療機関に対する医療費の一時払いが困難である旨の申し出を行った場合は保険料を納付することができない特別な事情に準ずる状況にあると考えられることから、緊急的な対応として短期被保険者証を交付しております。

 なお、新型インフルエンザで発熱外来に資格証明書世帯の人が受診した場合は、通常の保険、3割負担と同様の対応をいたしましたが、該当はありませんでした。

 次に、失業者の国保税の減免、医療費窓口負担の減免推進の状況はとのことでございますが、非自発的失業者の国保税の軽減につきましては既に実施し、6月末までに233件の申請を受けております。また、医療費の一部負担金の減免について、21年度は徴収猶予、減額または免除の申請はございませんでした。

 次に、医療費の3割負担の重さが医療費抑制につながっている。低所得者の窓口負担減免制度の状況はとのお尋ねでございますが、低所得者の窓口負担減免につきましては、単に低所得であるという理由だけでは一部負担金の減免対象とはなりません。佐野市国民健康保険規則第29条第3項の各号に示す事由により特別な事情がある場合に対象となるもので、21年度に減免を受けた方はございませんでした。

 次に、資格者証を一件でも少なくするためのこの間の改善の内容についてでございますが、法改正の内容を周知するため、資格証明書世帯の高校生世代以下のいる世帯を重点的に訪問し、国保制度の啓発と納付指導を行いました。平成21年10月1日の一斉更新時には資格証明書世帯が1,267世帯ありましたが、平成22年7月1日現在で863世帯となり、404世帯の減となっております。

 次に、今後の制度改正に向け、現在厚生労働省で検討しているが、その中で要支援1、2の軽度者への生活援助を対象外にするとの意見があるが、問題であり、反対すべきではとのお尋ねでございますが、現在厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会で今後の介護保険制度改正に向けてさまざまな議論がなされている状況でして、その中の一つに生活援助が議論されているとのことでございます。この件につきましては、介護保険制度発足当初より制度改正のたびに議論されているとも聞いております。このたびも議論があり、その中では生活援助を外してはならないとの意見も出ているようでございます。本市といたしましては、介護において生活援助は重要かつ必要なサービスと認識しておりますので、今後ともこれらの動向を注視していきたいと考えております。

 次に、依然として期限内に認定がおりない事態が続いているようだが、その要因となっているものは何かとのお尋ねでございますが、認定調査のおくれ、医療機関等からの主治医意見書の未提出及び有効期限終了直前の申請などが主な要因でございます。認定調査のおくれを解消するため、本年度新たに3名の調査員を増員いたしましたが、調査員として十分な活動ができるようになるには、調査能力を高め、経験を重ねる必要がございます。ある程度の期間を要するものと考えております。

 次に、問題は介護度が低くなった場合、その差額を全額負担しなければならないとのことであるが、どうかとお尋ねですが、そのような事態が起こらないよう認定結果を有効期限内に出すように努力してまいりたいと考えております。

 次に、医者の意見書のおくれは期限を半年にしてしまった人をたくさんつくったことの余波ではないか、このことにつきましては、主治医意見書提出のおくれは各医療機関と主治医の事情によるものと理解しておるところでございます。

 次に、認定結果のおくれを早急に改善すべきであり、手だてはとれるかとのことでございますが、先ほど申し上げましたとおり、認定調査を迅速に行うため、調査員を本年度3名増員し、10名体制で調査に当たっており、一日でも早く認定調査が終えるよう努力しております。また、主治医意見書につきましては、医療機関等には早急に提出していただくようお願いをしております。

 次に、状態区分変更手続で受付窓口でなかなか受理してもらえないと聞く、その意図するものは何か、そしてこの間の状況、区分変更の件数や状況はどうあったのか聞きたいとのことでございますが、区分変更申請受け付けに当たっては、窓口で変更の理由や利用者の状況等を十分に聞き取りするため、通常の更新申請よりも受理するまで多くの時間をかけているのが現状でございます。結果的に相手の方に不快感を与えたとしたら、今後そのようなことがないように十分注意してまいりたいと思います。また、区分変更申請数につきましては、平成21年度が277件で、鑑定結果の内容としまして、軽度になった方が4件、変化のない方が33件、重度になった方が240件でございます。なお、本年度4月から7月までの区分変更申請数は81件で、判定の結果、軽度になった方が2件、変化のない方が10件、重度になった方が69件となっております。

 次に、本市で扱った養護老人ホームの希望実態とその内容、また県内10カ所への入所待ちの状況についてのお尋ねでございますが、本市には寺久保町に養護老人ホーム悠生園がございます。年に2回程度、入所判定委員会を行いまして入所判定を決定しているところでございますが、平成21年度は3名の入居希望者があり、判定委員会に諮り、順次入居していただいております。なお、3名とも身寄りがなく、経済的にも困窮している方でございます。判定委員会で決定されても施設にあきがないと入所待ちということになってしまいますが、現在は定員に3名のあきがございますので、随時入居できるような状況ではございます。県内10カ所の入所待ちの状況につきましては、全体で定員が804名で、入所者数が合計692名、入所判定委員会を待っている待機者数は、合わせますと23名となっております。

 次に、熱中症による本市の実態についてのお尋ねでございますが、ことしの夏はまれに見る猛暑が続いておりまして、佐野市内の状況につきましては、佐野地区広域消防組合佐野消防本部の調べによりますと、7月に搬送された方が33人、8月では30人、8月末現在での合計で63人の方が熱中症で搬送されております。そのうち65歳以上の方は33人でございまして、熱中症による死亡者はおりませんでした。

 次に、子宮頸がんワクチンの集団接種化を行う必要があるのではということでございますが、接種方法につきましては、佐野市医師会予防接種委員会で協議をさせていただき、医療機関個別接種方式で実施することになりました。新聞報道によりますと、厚生労働省が次年度概算要求に特別枠で子宮頸がん予防事業を盛り込んだとの情報もございます。今後の国の実施方針等の動向を注視しながら、体制整備の中で接種方法についても検討していきたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(岩崎俊道) 次に、こども福祉部長。
(こども福祉部長 登壇)
〇こども福祉部長(高瀬 一) 一般質問にお答え申し上げます。

 私のほうは、低所得者向けのエアコンの設置、修理及び電気料の減免制度の実施についてのご質問でございますが、エアコンの設置等に対する補助を実施することは、現時点では非常に困難であると考えております。9月に入りましてもまだ猛暑が続くと予想されますが、当面は現在行っている防災無線やホームページを活用しての注意喚起、情報提供を引き続き実施し、予防対策に努めてまいりたいと考えております。地域の皆様にもそれぞれの暑さ対策を十分していただき、高齢者の見守り活動もぜひお願いしたいと思います。

 なお、今後補助制度や電力会社等への電気料減免制度実施の要請についてでございますが、現在国会においても連日の猛暑において一部猛暑対策について議論が出ているようでございますが、今後、国、県の動向を踏まえ、対応してまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(岩崎俊道) 以上で当局の答弁は終わりました。4番、岡村恵子議員。
(4番 岡村議員登壇)
〇4番(岡村恵子) ご答弁ありがとうございました。

 若干の答弁漏れがあったようなのですけれども、1つは国保の問題で、44条に基づく窓口負担減免制度の活用と通達によって社会福祉事務所との連携ですか、そのことにつきましてご答弁がなかったというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 それと、もう一つは養護老人ホームの入所希望についてですが、虐待の問題なども通告に入れておりまして、状況がどんな状況なのかということで把握されている部分、今は子供たちの虐待も大変重大問題になっておりますけれども、高齢者への虐待というのも多々耳にするところでありますので、その辺お聞きできればというふうに思います。

 それでは、2回目の質問をさせていただきます。国民健康保険の問題ですけれども、国庫負担、国の抜本的改善が必要と感じますということだとか、それらの言い方で淡々とお答えしていただいたのですけれども、それから県の独自支援金、これもやはり今年度から打ち切りということで、栃木県は市町村との役割分担の明確化を理由として国民健康保険福祉対策費補助金、2009年度は3,939万円を今年度から廃止させたということで、私の通告の流れは国庫負担の削減、それから県の医療に対する後退ですよね。そういうものが大変市の国民健康保険の財政圧迫と、それから国保税の引き上げに結びついていると。ですから、根本的なここでの改善がなければ前向きに改善することができないというふうに思っています。

 厚生労働省の国保収納率アドバイザーを務めております小金丸良さんという方なのですけれども、国保新聞でこう述べています。「国保は社会的弱者が多い最ももろい単位なのに、最も重い負担になっているという矛盾が最初からある。そもそも担当者がこれほどにも収納率の維持向上に血道を上げざるを得ないこと自体が社会福祉の制度としてはどこかに欠陥があることを物語っている」と述べています。また、さらに「緩和、緩和の20年」、規制緩和ですね、「という国策がもたらした結果でもあるのだから、国策すなわち公費によって国保を少しでも福祉の基本としてあるべき姿に近づける努力をすべきではないか」と、このように述べています。

 先日の佐野市の国保運協の中でも、このままいきますと平成24年度からは国保財政は赤字になってくるので、国保税を引き上げざるを得ないという、そのような財政の見通しが示されました。この国保運協の中でも何人かの運協のメンバー、市民の代表も出ておりますけれども、このことに大変な反発の意見を述べたという経緯があります。大変市民も我慢の限界に来ていると言わざるを得ないということです。そういう点では「感じます」ということではなく、今大変危機的な状況、それから命や健康を市民が守れない事態になってきている、負担が高騰してきている中で暮らしの大変破壊の状況になってきていることについて、評論的な言い方ではなく、再度ぜひご答弁をしていただきたいというふうに思うのです。

 そして、なぜ全国の多くの自治体が一般会計から法定外繰り入れをしてきているのか、その辺につきましてもやはり県や国がそのような……繰り入れについては県によってさまざま差がありますけれども、市が独自に市民の命を守るという観点からやはり法定外繰り入れをやってきているという証明ではないかというふうに思います。先ほどのご答弁では、私、1回目に言いましたけれども、国が指針に基づいてこうやりなさいということそのものの答弁だったのです。これでは市独自の自治体としての役割というのが本当にないのではないかと。国の言うがままの方向で行政を行っていると言わざるを得ません。

 それから、広域化の問題につきましても、やはり国が示したものを繰り返して述べただけということでありまして、後期高齢者医療制度と同じような形で国保の広域化が図れれば、市というのは保険税徴収のみと、あとはさまざまな細かい施策の充実、そういうことはできない、そういうものになります。国保が今はどこの市町村も大変な危機に追い込まれている中で、国は国庫負担をふやすのではなくて、弱い者同士を合わせれば不公平が是正されると、そういうことでの広域化の方針が出されていることに対し、大変な怒りを感じざるを得ません。そういう点ではぜひ市としても広域化の方向ではなくて、国が予算措置をきちっとする方向で改善されるようにぜひ意見を述べていただきたいというふうに思っています。

 宇都宮市でも、一般会計からの法定外繰り入れを行って値上げを抑えた事例も県内でもやはり出てきておる。このような各自治体が努力をしている。これについても市当局はどのようにお考えになるのか、ぜひお聞きしたいというふうに思っています。

 それから、住民税などの税金の措置というのは非課税措置というのがあるのです。しかし、国保制度にはそういう税制の、累進課税的なものが逆行してきている、薄くなってきている面がありますけれども、制度そのものが大変厳しい制度になってきていると言わざるを得ない状況です。その辺もどのようにお感じかお聞きしたいというふうに思います。

 それから、資格証明書の問題では、国のさまざまな通達のもとに改善をされてきたということがありますけれども、四百数十世帯が減ってきている。これは一定の前進だというふうに思っていますが、さいたま市の担当者は、一件も資格証明書を埼玉県は発行していないのですけれども、問題は財政を保つためにも滞納者と会って分納相談とか、しっかりやるほうがどんなに有効かというふうに述べています。その辺の違いについて、私は市のやり方にあと一歩、二歩努力をしていただきたいと思いますので、ぜひその辺よろしく答弁をお願いいたします。

 それから、介護保険の問題ですけれども、今高齢者の社会的孤立というのが大変深刻となっております。そういう点では介護保険の今度改正になる中身について大変注視していきたいと。重要かつ必要なものなのに国が外そうとしていると。注視していきたいということですが、私の通告は、ぜひ国に対して外すなという意見を述べるべきだというふうに言いました。ぜひその辺を再度ご答弁をお願いしたいというふうに思います。

 それから、要介護認定区分のあれですけれども、重度に変更されている人がこれだけいるということは、いかに要介護認定のやり方が軽度化する形で来ているかと。これは申し立した人が重度にこれだけなっているということですので、その辺やはり認定のあり方に問題があるのではないかと思います。

 それから、申請件数、有効期限の終了後審査件数、これは意見書などがおくれて調査員を増員したということですけれども、相変わらずおくれていることに対して意見書などの医者の責任にするのではなくて、ぜひもう一度、対策についてご答弁をしていただきたいというふうに思います。

 それから、高齢者などの世帯に対するエアコン設置の問題ですが、国が今対策を講じてきているようなことで言っていましたけれども、小中学校のエアコンの問題も同じですけれども、今の気候の変動について市の当局の大変甘い考えではないかというふうに私は思っています。そういう点では、ことしの夏は9月に入ってまだまだ暑い日が続くようですけれども、今後の夏への対策としてエアコンの助成の問題もぜひ検討課題として考えていただきたいというふうに感じているところです。

 それから、子宮がん検診につきましては、やはり国のほうが概算要求をしているのも私も承知しております。ですから、そういう点でもぜひ積極的に市としても集団接種など多くの方が、本当に100%に近い方が取り組めるようにしていただきたいというふうに再度お聞きいたしまして、2回目の質問といたします。

〇議長(岩崎俊道) 当局の答弁を求めます。 まず、健康医療部長。
(健康医療部長 登壇)
〇健康医療部長(藤掛正男) 再質問にお答えいたします。余りにも矢継ぎ早な質問なので、順序がずれたり、一部答弁のほうにもそぐわないところもある点はご了承いただきたいと思います。

 まず、一部負担金の減免制度について答弁漏れだという点がございましたが、これにつきましては、規則で「災害とか干ばつ、事業の休止などの理由で生活が著しく困難となった場合とする」と定められております。「生活が著しく困難となった場合」としましては、生活保護申請の初日から生活保護開始の前日までの期間に限り、一部負担を免除しております。このことにつきましては、生活保護係との連携によって、連携をさらに強め、対応しております。

 それと、養護老人ホームの虐待の問題ですけれども、これにつきましては、県内で2件ほどあったとの報告を受けております。

 それと、現在危機的状況にある国保の置かれている状況ですけれども、これは被保険者にとりましては大変な負担増となっているという現実は議員さんおっしゃるとおりでございまして、社会的弱者、それから失業者、高齢者というものがどうしても国保の制度の中に流れ込んでくるといった構造的仕組みもございまして、現在制度的なものでその制度にきしみを起こしているといった事実は十分認識しております。したがって、これにつきましては国に対しその改善、対応というものを機会をとらえ、求めていくことを続けていきたいと思っております。

 それと、一般会計からの法定外の繰入金のお話が出ました。これは現在佐野市がやっているのは、まさに議員さんおっしゃるとおり国が示したとおりの状態で対応しております。したがって、法定内繰り入れという範囲で繰り入れを現在行っておりますが、法定外について、各ほかの県あるいは全国の自治体の中でどんどんそうした状況がふえているといった状況は十分認識しています。なかなか単独の国保会計の中でやりくりがつかなく、一般会計を余儀なくされているという事実はどんどん深まっているのは佐野市も同様な状況であるというのは認識しております。

 それと、広域化につきまして、国民の負担の公平、給付の公平を実現するためのものでありまして、市町村の財政力に差がある以上、安定的に医療保険制度を運営していくためには一つの方法として将来的に一本のものを目指す初歩の段階として、これが現在広域化という方向が出されてきているものかなと考えております。

 それと、宇都宮市が一般会計からの法定外の繰り入れを行っておりますが、これを今後6億円から3億円程度に減らしていくという計画を立てており、これもマスコミ等で報道されたところでございます。これにつきましても、自助努力の中で、法定外繰り入れというものがどんどん膨らんでいるという中で、このままでは市のほうの財政にも影響を及ぼすということで、こうした計画が立てられたものと思っております。その前段としましては、国保運営協議会の中で国保料の値上げというものに反対という意見、答申がされたという前提を踏まえての対応ということもあると思いますけれども、いずれにしましても自助努力とともに法定外繰り入れが宇都宮でもされているという事実を我々もとらえてはおります。

 それと、低所得者に対する負担の軽減ですけれども、低所得者に対する国保税の軽減につきましては、世帯の所得及び被保険者等の人数に応じまして被保険者均等割及び世帯割、平等割に対して7割、5割、2割の軽減措置がございます。これで対応させていただいているということでございます。

 それから、資格者証の問題につきましては、私ども、国の方針あるいは必要なときには資格者証を発行されているものでも短期者証を発行して受診ができるようにという措置には十分な対応をしているつもりでございます。資格者証を出すということ自体は納税相談の機会を設けるという意味で、それが一番大きな目的によって出させていただいているという状況でございます。

 続きまして、介護保険関係のご質問でございますが、これは認定のソフトが改正されたことによる軽度化というものが根底にあるかと思いますが、確かに改定ソフトになりましてから軽度に認定結果が出るという事実も、私どももそれは感じております。認識しているというところではあります。ただ、認定のあり方に問題があるかどうかにつきましては、これは国の指針、方針に基づく介護認定でございます。全国一律でこれを使っているわけでございますので、その点については問題がありということになれば、やはり国に改善のほうを機会をとらえてこれは要請を、あるいは要望を伝えていくということになるかと思います。

 認定審査が相変わらずおくれていることということにつきましては、先ほども答弁申し上げましたが、まずは当初調査員の人数が足りなかった、不足していたというのもあるかと思います。したがいまして、3名をふやして10名体制にしたわけですけれども、やはりこれには熟練を要する作業ということでございますので、この間補充したからすぐ100%これが満足いく審査量ができるかというと、そうではございません。その点につきましては、もう少し時間をいただければ調査員のほうも熟達度が増しまして遅延解消に結びついていくのかなと考えております。   それと、最後に子宮頸がんの集団接種についてのご意見でございます。確かに接種率を考えますと集団接種のほうが接種率は高まると思います。これにつきましても、現在もう既に接種を開始した市町村もございます。ただ、その中でも集団接種についても問題がないわけではございませんで、どうしても機械的な接種になるとか、流れ作業的に接種が行われるということもあります。そして、学校に対しましては、集団接種の時間をつぶすわけでございますので、授業時間が削減になるとか、お医者さんのほうにつきましても、お医者さんをまとめて派遣する日程を調整するとか、いろんな問題もございます。これにつきましては、接種率の向上ということを主眼に置きながら、個別接種でも個々に案内を出すなど、あるいはリーフレット等を作成して理解を求めるなど対応していきたいと思います。接種率につきましては、そういうことで向上を図る手段をとっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(岩崎俊道) 次に、こども福祉部長
(こども福祉部長 登壇)
〇こども福祉部長(高瀬 一) 再質問にお答え申し上げます。

 エアコンの設置に対する今後の対応についてご質問いただきました。現在、生活保護制度の中では、制度としてはエアコンの設置はないわけでございます。また、電気料につきましても、現在の扶助費の中で対応していただくということしかございません。こうした中では低所得者に対するエアコンの設置について、現在のところでは非常に難しいというふうに考えているところでございます。したがいまして、こちらでも注意喚起、情報提供あるいは見守り活動を続けながら、皆様にはそれぞれ暑さ対策を考えていただき、十分、冷をとるような形をとるような中で対策をしていただくということになると思います。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(岩崎俊道) 暫時休憩いたします。
午後 零時01分休憩
午後 1時00分再開
〇議長(岩崎俊道) 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続行いたします。 当局の答弁は終わりました。 4番、岡村恵子議員。
(4番 岡村議員登壇)

〇4番(岡村恵子) それでは、午前中に引き続きまして再々質問をさせていただきます。

 エアコンの助成と電気代補助につきましてもお聞きしたわけです。私は2回目の質問の中で、市当局は今の気候の変動に対して大変甘過ぎるのではないかと述べました。全国の高齢者などの救急搬送の様子、そして室内での熱中症での死亡の多発、本市では63名が救急搬送されたということです。もう既に亡くなっている方のところの数というのは搬送の数に入らないということですので、この辺も全国的にどうかということです。ある専門家は、「国も行政も冬のインフルエンザと同様な対策を講じなければならない時期に来ている」と述べております。これらの指摘に対して市当局は認識が甘いというふうに述べさせていただきました。

 今回、特に高齢者へのエアコン助成の問題につきましては、現場を歩いておりますケアマネジャーの方が暑い部屋でエアコンもない高齢者の方々を見て、ぜひこの問題を議会で取り上げてほしいと切望されました。買うに買えないという方たちがいらっしゃるということです。その方は、「自分たちはエアコンのきいた部屋で一日……」、市役所もそうですけれども、「仕事をしている。過ごしている。このことに対してぜひ共有のものにしてほしい」ということもおっしゃっていました。高齢者は特に暑い時期には外にも出られません。車もない方というのは車のエアコンもきくわけではないし、そういう点ではやはり私たちはこういうふうに涼しいところで議会もされているということなどに対し、その方は「ぜひ今の暑さ対策に対しては共有のものにしてほしい」というふうなことを力説しておりました。先日、内田議員も小中学校へのエアコン設置の問題も取り上げておりましたが、学校教職員組合からの要望も出ている中でも市はまだ取り組む姿勢を示さなかったということについては、市当局は現場にいる方々と向き合って話をしているのかどうか、大変に疑問に思う出来事だったかなというふうに思っております。

 そういう点では、国のほうでは今対策を講じているということですけれども、先ほど防災放送の中で、確かに私も聞いております。「熱中症に気をつけてください」、そのようなことはやっておりますが、それだけではもう済まない事態になってきているというふうに思いますので、その辺さらなるご答弁を、市長のほうにできればお聞きできたらというふうに思っております。

 それから、国民健康保険の問題ですが、先ほど県の独自支援金の問題で2010年がゼロになったというふうにご答弁もされましたし、私も調べてみました。2005年には2,287万円出しておりました。2006年には1,551万3,000円、2007年には1億1,417万2,000円、2008年には4,430万4,000円、2009年には4,459万7,000円、2010年にはゼロということで打ち切られたと。ですから、国の負担の大変な削減とともに、県のほうでの法定外の独自支援というのが国民健康保険に対して大変削減をされている。これが市民の保険税値上げにつながっている。こういう点での認識を持たなければ、市としてどういうふうに対策をとるのかという観点には立ち切れないというふうに思います。各自治体が法定外の一般会計からの繰り出しをしている。例えば愛知県などは、生まれたばかりの子供に国保税を課すのはおかしいということで、18歳未満の国保税均等割の減免を始めた自治体も出てきております。市独自に市民の命や健康を守るために努力をしている姿勢に対しては、私は学ぶべきではないかなと思っております。その辺を再度お聞きいたします。

 それから、資格証明書の発行ですけれども、国会の中でも大変な議論がされていまして、全国で34万世帯が今資格証明書を受け取っている。罰則を受けているということです。本当に日本の34万世帯がそんなに悪質な人ばかりなのかというふうなことで、日本はそんな国ではないはずだと。そういうことではないと。かなり機械的に資格証明書が出されている自治体があるということを指摘しております。そういう点では佐野では三百数十世帯に若干減ってきておりますけれども、その運用につきまして機械的に出しているところがあるというふうに指摘せざるを得ません。その辺の再度の改善を求めたいと思いますが、ぜひご答弁をお願いいたします。

 2回目の質問の中でさいたま市の担当者の話をしました。これは医療保険を継続することが優先だ。保険料の滞納があれば窓口に来ていただく。支払い能力がある方にはきちんと措置をとる。払いたくても払えない人には事情をお聞きして分納するなどの相談に乗る。いずれにしてもとにかく滞納者に会うということが大事だと。これが大事。滞納者に会えば解決するから、だから資格証は必要ないのだということで、さいたま市では資格証の発行はゼロという状況です。国保の財政を考える観点からもこのような措置をとっていることについても、市当局のぜひご認識を再度お聞きしたいというふうに思っております。

 それから、介護保険につきましてお聞きいたします。先ほど有効期間の終了後、認定結果が出るのがおくれてしまう。その資料もいただいておりまして、これも先ほどご答弁をいただきました。4月から7月までのデータですけれども、209件、全部で大体10%ぐらいが認定内の期限に終わっていないということです。あるケアマネジャーの方は、ケアプランを立てるときに、前の認定ですと、この方はどのくらいに認定されるかということが読めたというのです。でも、今は読めないのだと。どれだけ軽くされたりとか、そういうことがありますから。この期限内に済ませられないこと、さまざまな調査員のふなれな問題とか指摘しておりましたけれども、私はそれだけではないというふうに思っています。医者の意見書なども催促するなりすれば期限内にいただくこともできるでしょうし、問題は全額自己負担になった場合に関係者、事業者が立て替えていると。利用者からはもらえていない。関係者が立て替えている状況だということも調査の中で明らかになっています。これは重大問題だと言わなければなりません。

 それから、区分変更申請の件数ですけれども、これはある意味では申し立てなわけです。実際、去年度で277件の申請のうち240件が重度に変更されています。ことしは4月から7月まで81人のうち69名が重度に変更されていると。ですから、窓口でこの方はどうだということを根掘り葉掘り聞くと、そういう受け付けの仕方はまずいだろうと。先ほど大変心苦しいといいますか、「嫌な思いをしたのだったら謝ります」という言い方をされましたけれども、そういう問題ではないというふうに思いますので、ぜひその辺の改善を求めたいというふうに思っています。

 それから、子宮頸がんの予防ワクチンの問題ですけれども、集団接種をしているところについて、それでは一人一人の個別のさまざまな内容を把握できないのではないかとさっきご答弁されました。これは実際集団接種をしているところの事例を調査をして答弁しているのか、大変疑問に思うところです。それを調査もせずに、ここで一人一人把握が学校で集団接種をする場合にはできないということを答弁すること自体が、私は大変不見識ではないかというふうに感じておりますので、その辺ぜひ前向きに考えていただく意味でも、ぜひその辺の再度のご答弁をよろしくお願いしたいというふうに思います。

 それから、国民健康保険の話に戻りますけれども、一般会計の繰り入れ、それから基金からは繰り入れられているというふうに言っていましたけれども、会計上は基金から繰り入れて決算上はまた基金の金額ぐらい残る形で現在基金が11億円、平成21年度末であります。ですから、例えば1世帯1万円の引き下げでも可能ではないかというふうに思いますし、一般会計からの法定外繰り入れをすべきではないかというふうに、先ほども話をしたと思いますが、市長にその辺の見解を求めまして、私の質問とさせていただきます。

〇議長(岩崎俊道) 当局の答弁を求めます。 まず、市長。
(市長 登壇)
〇市長(岡部正英) それでは、岡村議員の再々質問にお答えいたします。

 先ほど担当部長のほうからも答弁がございましたけれども、国保の問題は国民皆保険体制を堅持するために必要な抜本的な改革は国において行われるべきでございます。でも、引き続き国に対して強力に、これは私のほうからも安定的に持続可能な制度運営が図られるよう要望してまいりたいと思っております。

 また、本市といたしましても、保険者の責務といたしまして、国保を持続可能な医療保険制度として維持していくことが求められておるところでございます。国保財政の健全化に向けて取り組みをしてまいりたいと考えております。

 なお、先ほどクーラー設置の件や、また今後補助制度、この電力会社等への電気料の減免制度実施の要請につきましては、国、県の動向を踏まえながら対応してまいりたいと思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。

 以上、答弁とさせていただきます。
〇議長(岩崎俊道) 次に、健康医療部長。
(健康医療部長 登壇)
〇健康医療部長(藤掛正男) 再々質問にお答えいたします。

 法定外の繰入金のお話につきましては、今市長が答弁をさせていただいたとおりでございます。

 続きまして、資格者証、これにつきましては機械的な対応というものをしているわけではございませんので、今後も滞納者に会うという、相談をするという機会を設けるためにこの資格者証を発行するという姿勢で臨みたいと思っております。

 それと、介護認定期間に関する再度のご質問ですけれども、これは先ほどから繰り返して申し上げていますけれども、認定期間内に対応できるように努めてまいりたいと思います。

 区分変更の認定の遅延につきましても、それから対応につきましても改善を図っていきますので、こうした問題を起こさないように十分な職員のスキルアップも図ってまいりたいと思います。

 それと子宮頸がん、これの集団接種、これについては私、先ほどの答弁で申し上げましたが、これはできないと言ったわけではなくて、当然集団接種のほうが効率がよく、接種率も高まるわけでございますので、医師会と相談をして今後の対応を協議していきたいと思います。

 それと国保の繰入金のお話が出ましたけれども、繰入金によって国保の値下げというにはこれは結びつかない状況でございます。もう基金を当てにした予算を組んでおりますので、来年には底をつくというような状況が現実でございますので、これについてはできないということでございます。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(岩崎俊道) 以上で当局の答弁は終わりました。

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