1.議案第112号 佐野市職員の給与に関する条例等の改正について

議会報告・2011年(H23)第4回臨時会
11月30日(水)質問と答弁(全文)

・佐野市職員,給与に関する条例等の改正について

 それでは、主に議案第112号 佐野市職員の給与に関する条例等の改正につきまして幾つか質疑をさせていただきます。

 今回の条例改正に関連いたしまして、国家公務員につきましては今回の人事院勧告を見送りをしたということであります。そして今、人勧に基づく給与改定案は国会に提出せずに、公務員給与を2013年度末までに平均7.8%引き下げるという特例法の成立ということを目指しております。これは大変な今まで異例なことだったわけですけれども、この特例法になったという背景や理由等についてどう認識されているのか、まずこの辺につきましてお聞きしたいというふうに思います。

 本来、この公務員の給料引き下げというのは、人事院勧告、これは国家公務員から労働基本権を奪ったという代替措置として人事院勧告ということがあるわけですけれども、その比率以上に引き下げるということは憲法違反だとも言われております。これに対しまして、その背景や理由等についてもどう市当局は認識をされているのか、まずこの辺につきましてお聞きしたいというふうに思います。

 また、今回の条例改正に至った経過でありますけれども、地方公務員につきましては人勧どおりの引き下げということであります。どんな手順があったのか、通達の内容での指示があったのか、この0.23%の引き下げ等につきまして2つ目にお聞きしたいというふうに思います。

 また、今議会に上程されております112号につきまして、今回の改正の中身につきまして、詳細につきましてお聞きしたいというふうに思います。

 そして、1人につき影響額がどのくらいなのか、その辺につきましてもお聞きしたいというふうに思います。   また、本市がこの人事院勧告、この通達どおりの措置をとるということになりますけれども、そうした理由につきましてお聞きしたいというふうに思います。

 また、本市全体の影響額、市全体の影響額につきましてお聞きしたいというふうに思います。

 また、組合との話し合いの経過があったというふうに思いますし、その中で出された意見など、その経過につきましてお聞きしたいというふうに思います。

 以上で1回目の質疑とさせていただきます。

〇議長(荒井仁市) 当局の答弁を求めます。 行政経営部長。

(行政経営部長 登壇)
〇行政経営部長(栗原 昇) 岡村恵子議員の質疑にお答えいたします。

 初めに、国家公務員についてでございますけれども、国においては、厳しい経済状況と東日本大震災という未曾有の国難に対処するため、国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案が、人事院勧告による給与水準の引き下げ幅と比べ、厳しい給与減額支給措置を講じようとするものであり、また総体的に見ればその他の人事院勧告の趣旨も内包しているものと総合的に勘案され、給与臨時特例法案の早期成立を期するということで進められておりますが、人事院勧告の取り扱いについても現在議論されているところだというふうに認識しております。

 次に、地方公務員への通達の内容についてでございますけれども、平成23年10月28日付で総務副大臣による地方公務員の給与改定に関する取扱い等についてという通知によりまして、各地方公共団体においては、地方公務員法の趣旨に沿い、国及び国における取扱い並びに県人事委員会の給与に関する報告、並びに現下の地方行財政の状況等の地域の実情を踏まえつつ、各地方公共団体の給与実態を十分検討の上、適切に対処するよう通知がございました。本市におきましては、これらを踏まえ、県や他市の状況等を勘案しまして、本年の人事院勧告に基づき実施するということでございます。

 次に、3点目、今回の改正の内容についてでございますが、今回の改正の主なものにつきましては、1つが給料表の改定、それともう一つが時間外勤務手当の算出方法の改正でございます。給料表につきましては、全職員平均でマイナス0.3%の改定でございます。

 これにより1人当たりの影響額でございますが、全職員平均で年間1万6,730円の引き下げとなります。   時間外勤務手当の変更につきましては、算出方法の改正については、いわゆる労基法方式を採用するものでございまして、これにつきましては栃木県市町村条例準則の改正が行われたことに伴う改正でございます。

 次に、本市が今回の改正を実施する理由につきましては、先ほどご答弁申し上げましたように、総務副大臣の通知の趣旨、あるいは栃木県県内市町の動向を踏まえ、最終的に人事院勧告に準じた改定を行うものでございます。   次に、今回の給与改定の影響額でございますが、一般会計、各特別会計合計で全体で1,537万円の減でございます。

 次に、最後になりますけれども、職員組合との協議につきましては、11月に入りまして4日と9日、協議を行いまして、最終的には11月24日に確認書の締結をしたところでございます。なお、協議の中では、職員組合からは、引き下げは厳しいが人事院勧告を尊重する考え方に同意をしていただいたところでございます。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(荒井仁市) 以上で当局の答弁は終わりました。 1番、岡村恵子議員。           

(1番 岡村議員登壇)

〇1番(岡村恵子) ご答弁ありがとうございました。2回目の質疑をさせていただきます。

 ただいま国家公務員の措置につきまして、東日本大震災関連の措置ということで、そんなご答弁でした。本来これは憲法違反だということなのですが、その辺の認識についてはどのようにお考えかお聞きしたいというふうに思います。

 それから、今のご答弁の中で、この今回の人事院勧告についても、東日本大震災、それが内包されているというご答弁でしたが、そうしますと、今までの根拠というのはどのようなことに今のご答弁との関係でなるのか、その辺改めてお聞きしたいというふうに思っています。

 それから、年間影響額が1万6,730円ということで、これは昨年、また一昨年に続きまして連続的な引き下げだということなのですけれども、これは連続した引き下げというのは大変痛いものがあるというふうに思うのですけれども、その辺につきまして改めてどのような認識なのか、その辺お聞きしたいというふうに思っております。

 以上、再質疑とさせていただきます。

〇議長(荒井仁市) 当局の答弁を求めます。 行政経営部長。

(行政経営部長 登壇)
〇行政経営部長(栗原 昇) 岡村議員の再質疑にお答えいたします。

 まず初めに、国家公務員の関係の憲法違反とのことでございますけれども、これにつきましては国において人事院の見解とかいろんな議論がされております。国においてそういう議論がされているということで、本市におきましては、あくまでも人勧尊重ということでこれまでもやってきましたし、今回につきましても人勧尊重という立場で行っていくものでございます。

 今回の人勧部分が内包されているということにつきましても、人勧尊重という立場で進めていきたいというふうに考えております。

 それと、引き下げが続いているけれども、どのように思うかということでございますけれども、これにつきましては、あくまでも人事院勧告につきましては民間給与との均衡といいますか、それらを参考にして勧告されておりますので、それを受けとめてやっていくという立場でございますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(荒井仁市) 以上で当局の答弁は終わりました。 ほかに質疑はありませんか。           (「なし」と呼ぶ者あり)

〇議長(荒井仁市) これをもって質疑を終結いたします。 この際、お諮りいたします。ただいま議題となっております本案は、委員会の付託を省略したいと思います。これにご異議ございませんか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

〇議長(荒井仁市) ご異議なしと認めます。 よって、本案は委員会の付託を省略することに決定いたしました。 これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、発言を許します。

1番、岡村恵子議員。

(1番 岡村議員登壇)
〇1番(岡村恵子) それでは、討論させていただきます。

 議案第112号 佐野市職員の給与に関する条例等の改正につきまして、またそれに関連いたします補正予算、議案第113号 平成23年度佐野市一般会計補正予算(第8号)から議案第121号 平成23年度佐野市後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)につきまして反対を申し上げます。補正予算につきましては、第112号の職員の給与引き下げに関連する補正予算が主でありますので、反対を申し上げます。

 国民健康保険の直営診療所の中には、医者が臨時から正職になった中身も入っておりますが、大きな影響というのはこの給与の引き下げでありますので、そういう意味で反対を申し上げます。

 その理由を申し上げます。まず、今回の改正に関連いたしまして、国家公務員給与の引き下げに関連して申し上げたいというふうに思います。政府が国家公務員の給与の引き下げを、人事院勧告の実施を見送り、独自の給与法改正を優先させて、2013年度末までに平均7.8%引き下げる方針を優先させたのは、人事院勧告制度が発足した1948年以来初めての異例な事態であります。人事院勧告は、憲法で保障されております労働基本権を国家公務員から不当に奪っている代償措置であり、歴代政権はほぼ毎年人勧どおりの給与改定を実施してきました。こういう中、人事院は、人事院勧告を無視し、労働組合の同意も得ずに、特例法によって賃金を引き下げるのは憲法違反だとしています。国家公務員法第28条で、勧告を超える引き下げは行えないということは明らかなことであります。そういう点では、今回の措置は憲法違反であるということは明らかです。

 政府は今回の措置を、東日本大震災の復興財源確保を理由にしておりますが、民間労働者にも広く波及する国家公務員賃金の大幅引き下げは、経済の低迷を招き、震災復興に逆行すると言わなければなりません。今、公務員賃金引き下げを突破口に国民に増税をしようとしていながら、大企業に11兆円も減税すると言っております。国民への増税は、復興財源には決して回らないということも指摘しておきたいというふうに思います。

 一方、私たちは、人事院勧告に基づく本市の職員の給与の引き下げにつきまして昨年より反対をしてまいりました。それまでは、今市民生活が景気低迷等で大変追い込まれている中、人事院勧告に基づく公務員の給与引き下げはやむなしと考えてまいりました。苦渋の選択をしてきたわけです。しかし、公務員給与の引き下げは、景気の低迷に輪をかけるものにつながり、民間の給与の引き下げにも波及するものであり、これ以上あってはならないという立場で反対をしてまいりました。今回は、その流れの中であります。影響額1万6,730円ということでした。そして、昨年は給与の引き下げについては1人平均9万9,000円減額、このことに続くものだと言わなければなりません。

 今、長引く不況を、どのようにして景気を回復させていくかが一番の大事な問題です。何より景気の回復のためには内需の拡大、消費力をつけていかなければなりません。今行われておりますのは、労働者派遣法が1999年以来、製造業にまで拡大されてきている中で、雇用の状況は大変深刻になってきております。それも長引いてきております。正規雇用が当たり前という雇用形態を確立してこそ、景気の回復にもつながっていきます。また、公務員の職種にも非正規が増大し、官製ワーキングプアと言われる人たちも増大しているのが大変気になるところです。公務員の給与引き下げは、民間との格差を埋めるために使われているのではなくて、公務員も引き下げるからといって住民負担を増大させる方向に物事を進めていく手法にもつながっていくと危惧をせざるを得ません。

 補正予算につきましては、人事異動も入っておりますけれども、給与引き下げが主なものであるという理由で、改めて反対の理由を申し上げました。

 以上の理由を申し上げ、第112号、第113号から第121号までの補正予算につきまして反対の理由を申し上げ、以上で討論を終わります。

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