身近にありながらなかなか訪れる事のない鑁阿寺.12月初旬に訪れた昨年は,楓や銀杏の落ち葉が深紅や黄の絨毯を敷いたように地面をおおっていた.
今年は11月下旬.黄の炎で天を焼くような勢いで銀杏が色づいていた.まばらに訪れる観光客も幹まわりの太さに驚き,見上げてはその高さに声を上げていた.(目通りで周囲9m,高さ30m)
西門の方に小さな店がある.鑁阿寺の紋の入った千歳飴が店先に並んでいた.狭い店内には生まれて2ヶ月という赤ちゃんを抱っこした年配のご婦人とその家族.お孫さんを連れてお参りに来たそうだ.若いお母さんは真っ赤なハイヒールに膝上のミニスカート.
壁にある札書きのメニューに味噌おでんがあった.私はポケットの小銭を確かめて注文した.
風もない穏やかに晴れた初冬.ベンチに掛けた.抜けるような青空.目の前には銀杏の大木,脇には多宝塔,にこやかに行き交う観光客と軽い会釈.
300円の味噌おでんには幸せ気分がおまけでついていた.
鑁阿寺の大銀杏と多宝塔
2011年11月下旬 撮影
写真投稿:大西 洋(photographer)
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