| 《会発足の趣旨》
社会の高齢化と少子化は、いまや日本の全国的な社会問題です。若者が集中する東京をはじめとする大都会でも、出生率は下がり続けています。一方地方においては、行政の在り方によって人口の減少や増加に違いが生じています。その違いの主な要素として挙げられるのが「子育て環境政策」です。関東でも、埼玉や千葉の複数の自治体が取り組む「子育てに優しい街づくり、環境づくり」によって、若者の多い活気ある地域が誕生しています。子育て世代の応援に努力することは、地域の人口を支えるための投資となるのです。同時に、それは日本の社会が抱える諸課題(医療・福祉、労働・経済、安全保障)を解決するための重要な投資にもなるでしょう。
足利市は、「足利学校(日本最古の大学)」により育まれた教育の歴史と伝統を持ち、産業と文化の発展した地域です。しかし近年、産業の停滞とともに教育・福祉への情熱や投資が減少し、その街づくりにおいても、県内の他の地域に遅れを取る ようになりました。素晴らしい自然環境と安全な風土を持ちながら、生活環境が必ずしも「子育てに優しい」とは言いがたいこともあって、若者の周辺都市への流出 も含めて人口の減少は進む一方です。
今、私たち足利市民には、足利の伝統を見直して「教育・福祉の足利」を取り戻すべく、総意を以て「市民、とりわけ子どもたちの未来」に取り組む時が来ていると考えます。
奇しくもそうした時に、足利市教育委員会から諮問を受けた「足利市学校教育環境審議会」が「足利市立小・中学校教育環境の充実に関する答申」を公表しました 。
足利市により組織されたこの審議会では、周辺の複数の自治体の教育環境視察も含め3年間で18回の審議活動を行い、「答申」をまとめました。この「答申」における「学校再編」は、足利市民にとって「寝耳に水」の発表であり、特に、足利を9つ、7つ、或いは5つの中学校区に分け、小・中一貫校を校区に一つ置いて児童数の少ない学校を廃校とすべきという内容は、私たちに大きな衝撃を与えました。
小・中学校を廃校とすることは、コミュニティの核を失うことに等しく、災害時の避難所や安全の確保もできず、若者の子育ての場所にもならず、地域の衰退を招く可能性が大きいと言わざるをえません。このことから、かつて学校再編問題でもめにもめた状況の再燃を予感させました。
そこで私たちは、教育への情熱と郷土愛を奮い立たせ、未来を担う子どもたちと 地域の魅力(文化や産業)を生かした地域づくりのために、多くの足利市民と、ま た議会や足利市当局と話し合いながら、知恵と力を集めて学校教育環境を整える努力をしていくことを決意しました。
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