30歳近くになって頼れる人もいない東京で 仕事と学校の殺伐とした毎日に夢を与えてくれたのは「週刊朝日を後から読ませる男」と言われた山藤章二さんでした。似顔絵はもちろん社会風刺は目の付け所、突っ込みの鋭さに引き込まれていました。
そこへ新企画「山藤章二の似顔絵塾」が始まったので応募してみたら第一回の入選となり、厳しいコメントを頂戴しました。それから故郷で自営業を始めるまで約2年、時間をつくり投稿し何回か掲載されました。
その後、結婚し子育てと仕事に追われ趣味どころではない毎日でしたが、投稿者達の作品が単行本になり、記念展が開かれると知り渋谷まで出かけて山藤先生にお目にかかることができました。強烈な作品と違って柔和な目をした、優しそうなお人柄でした。
あれから40年、当時の週刊誌を出して見ると、乾燥し薄茶に変色したページに、とてつもない時の流れを感じます。
山藤先生、長い間お疲れ様でした。天国から地球を見てあちこちで起こっている戦争や紛争に嘆き、ネタが多すぎて困っていらっしゃるのではありませんか?そちらではどうか穏やかにお過ごし下さい。
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