過去の切り抜きを整理中2015/12の朝日の記事を見つけた。豪の歴史学者テッサ・モーリス=スズキさんが来日の際、戦争に関する責任や謝罪について答えたものだ。彼女は英国出身でその後オーストラリアに移住し、英国に植民地化された歴史に直面する。先住民アボリジニ?から土地を奪い虐殺もあった。
「自分には罪や責任があるのか?」と考えた結果「事後の共犯」という概念にたどり着く。虐殺などに直接関与していなくても「現在」自分は収奪されたものに由来する恩恵を得ているが、アボリジニーは差別や不平等にさらされている。「過去の不正義を支えた『差別や排除の構造』が今も続いているなら積極的に是正しなくてはならない。」日本も慰安婦や南京虐殺などについて、戦後生まれの国民も「謝罪」をすべきなのだろうか。「事件そのものについて個人の謝罪は必要はないが、国家は連続性があり謝罪すべき」「政府は効果的な謝罪をしてきたかを 考えてみるべき」と答えている。
以前安倍さんは「戦争にかかわりのない世代にいつまでも謝り続ける宿命を負わせてはならない」と言った。侵略や植民地化した挙句、彼らへの憎悪発言や人種差別などが今も続いている。同じ日本人として本当に恥ずかしい。戦争は自国、敵国の 兵士や国民の夥しい命を奪い飢えと苦しみを与えた…私達は戦争の歴史をほとんど学んでいないが、今からでも遅くはない。勉強して自分の頭で考えなければならない彼女の「事後の共犯」という明晰な論理をしっかり受け止めたいと思う。