ここの桜は見事だ.若木でもない、古木でもない.壮年のたくましさと自信に満ちた堂々たる樹木.垂直に立った黒い幹から横に広がる太い枝.無数の小枝がしなるほどの花.咲かすことに全力を注ぎ,誰はばからず,まったく遠慮しない勢いがある.
そしてその本数.何百本,いや何千本?広大なキャンパスの内や外,途切れることなく並ぶ.
渡良瀬川の堤防沿いにある足利工業大学(大前町).樹勢から想像するに1967年の開学当初に植えたのだろう.
花吹雪を浴びて並木を歩くも良し,雲のように広がる様を堤防から俯瞰するのもいい.地面を薄紅に染める花びらを籠に持ち帰り,お風呂に浮かべて楽しむもいい.
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