学生時代に前橋に住んでいたので赤城山はとても身近な場所だ.2時限目が休講になれば何人かで赤城にドライブに行った.夜中に星を見に行ったこともある.ここ小沼にも何度も足を運んだがこの秋に初めて一周した.
大沼や覚満淵(かくまんぶち)と違って観光地の喧騒が全くない静かな小道を歩く.
南側の対岸には小さな社があり,高さ1mほどのかわいい鳥居がある.水面越しに地蔵岳(1,674m)がどっしりと構えていて,頂上には白い電波塔がいくつも見える.
南東側の小道の両脇は緑鮮やかな苔の群生だ.5,60cmほどのゴロゴロした岩を優しく覆っていた.もそもそした苔に5mmほどの真っ赤な実.私は一瞬“苔は胞子で増えるはずだったよなぁ”と途惑った.どうやら実は上から落ちてきたようだ.緑の中に数粒の赤い実,はっとするほど目を引く.逆の配色はなんとも地味だななどと考えて,クリスマスカラーに感心した.
高低差がなく歩きやすい.30分そこらで回れる.休憩しながらでも小一時間もあれば十分だ.ただし標高は1470m,風があると寒い.防寒具は必携である.
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